測定上の注意
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/01 06:48 UTC 版)
高濃度のTg検体 濾胞性腫瘍や甲状腺癌遠隔転移患者ではTgが異常高値になる症例が認められる。この場合、抗Tg抗体が偽低値、偽高値を示す場合ある。これはTgが高濃度で存在する場合、血中でTg/抗Tg抗体複合体が形成され抗Tg抗体が測定試薬と反応できなくなるためと考えられている、しかしバセドウ病や橋本病でTgが異常高値となる例は非常に少ないため抗Tg抗体の測定上おおきな問題にはならないと考えられている。
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測定上の注意
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LATSの発見から50年以上経過してTSHレセプター抗体測定法は大きく進歩しバセドウ病診断という点からはほぼ満足できる感度と特異度を得るに至った。しかしバセドウ病から機能低下に陥る例や逆に機能低下症から亢進症に移行する例でTSAbとTSBAbのバランスの変化も報告されており、抗TSH受容体抗体の性質の変化が病態に関連することがわかってきた。TRAb測定法の世代間で測定値が乖離する例も報告されており、抗TSH受容体抗体の多様性が関与していると考えられている。現在のTRAb(TBII)測定法は刺激型と阻害型の抗体を区別することができず、今後はTSAbとTSBAbのエピトープを分離した機能特異的TRAb(TBII)の開発が望まれる。橋本病や無痛性甲状腺炎の一部の症例においてもTRAbが出現することがあり、注意を要する。橋本病のTRAbは高感度法でも低濃度(1.5~3.0IU/L)であることが多くTSBAb陽性を示す群もある。これらは自己免疫性甲状腺炎に伴うTRAb陽性なのか、橋本病の症状を呈したバセドウ病なのか議論があるところである。高感度のTRAb測定においては、未治療甲状腺中毒症の鑑別診断のカットオフ値と寛解判定のためのカットオフ値を区別する必要性も検討されている。また診察前検査ではインキュベーションの時間を長くとれないことにより、低値での再現性に問題が存在する可能性も報告されており、今後の検討が必要と考えられる。
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