淀川水系の河川施設
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 06:34 UTC 版)
淀川水系では、古来より人口密集地であったことから治水・利水に重点が置かれた。新淀川開削や天ヶ瀬ダム建設はその施策である。さらに戦後の高度経済成長期、琵琶湖を有効活用し京阪神への水需要に応えるべく淀川水系は「水資源開発促進法」に基づく開発指定水系となり、水資源開発公団(現:独立行政法人水資源機構)による総合的なダム・堰の建設が行われた。現在は統合管理されている。一方滋賀県には農林水産省直轄の灌漑用ダムが多い。これは天井川による用水の取水困難が背景にあり、水争いの頻発していた近江盆地を潤すためである。 関西電力の水力発電施設は、日本で最初に商業発電をした琵琶湖疏水の蹴上発電所(出力4400kW)があるが、淀川水系にある水力発電所のほとんどは出力1万kW以下の中小規模なもので、本流にある発電所は天ヶ瀬ダムの天ヶ瀬発電所(認可出力92000kW・常時出力6600kW)、その天ヶ瀬ダム湖(鳳凰湖)の水で揚水発電している喜撰山ダムと喜撰山発電所(出力466000kW)、宇治発電所(認可出力32500kW・常時出力29000kW)の3か所で、流域の最小の発電所は木津川の支流にある室生発電所(出力200kW)がある(これ以外にも近江八幡市にある関西電力神崎川発電所は認可出力1100kWだが常時発電しているのは52kWと小水力発電所並なのがある)。これは関西圏への電力供給を行うための水力発電が木曽川水系・熊野川水系といった包蔵水力の大きい河川で古くから開発されていること、火力発電所や原子力発電所が近隣に多くそれらからの需要が大きいこと等が挙げられる。 逆に、電力会社ではなく自分たちで小規模な水力発電施設を造り利用、または売電する小水力発電が京都嵐山と京都府営水道の宇治浄水場と久御山広域ポンプ場・大阪広域水道企業団の村野浄水場と桃山台配水場・大阪市水道局長居配水場で行われている。 また河川施設とはいえないかもしれないが、京阪電気鉄道中之島線の地下駅では大川(旧淀川)・堂島川の水をポンプで汲み上げ熱交換して駅の空調に使用している。
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