淀川水系流域委員会の提言
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1990年代以降、公共事業見直しの機運が高まり利根川水系を始め多くの河川でダム建設の休止・中止が相次いだ。淀川水系においては、国土交通省近畿地方整備局の諮問機関である「淀川水系流域委員会」がダムをはじめとする治水・利水事業の可否について検討を行った。この間、和束ダム(和束川)を中心とした宇治山城土地改良事業は中止。鴨川に建設予定だった京都府営の鴨川ダムも反対運動が強く中止となった。これとは別に、関西電力が国内最大級の揚水式水力発電所として建設が予定されていた金居原発電所・下部ダム(巣亦川)が、電力需要の伸び悩みから建設中止となっている。 2005年(平成17年)淀川水系流域委員会は提言を纏め、ダム事業については計画中のダムは全て中止するのが妥当という見解を答申した。これを受け国土交通省は余野川ダム(余野川)・大戸川ダム(大戸川)の建設中止、川上ダム(前深瀬川)と丹生ダム(高時川)の規模縮小を発表。大阪府も安威川ダム(安威川)の規模縮小を打ち出した。これに対し滋賀県等の流域自治体が「流域の安全を軽視するもの」として猛反発し、流域住民も賛否分かれた。このため最終結論は宙に浮いた状態となっている。これとは別に、農林水産省が愛知川に計画している永源寺第二ダム(愛知川)が、「ダムのボーリング調査未実施を承知しながら建設を進めるのは不当」として大阪高等裁判所より「ダム建設違法」の判決を下されるなど、淀川水系の開発は大きく揺らいでいる。
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