淀川水系の洪水
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 04:14 UTC 版)
「昭和28年台風第13号」の記事における「淀川水系の洪水」の解説
淀川水系では過去最大の洪水が起こり、宇治川、桂川、木津川流域では数か所で堤防が決壊して甚大な被害を生じた。この水害を機に「淀川水系改修基本計画」が策定されて河川総合開発事業が進められることになった。 京都府 - 死者・行方不明者119名、負傷者1,492名、被災家屋65,109戸、被害総額556億円(当時)。被災人口321,029人。府下では1か月前に集中豪雨で天井川やため池が決壊して死者・行方不明者336名を出した南山城水害が発生したばかりであった。桂川では八木町で右岸堤防が2か所決壊、下流の合流点付近の支川小畑川の右岸も決壊して120haが浸水。 宇治川へは木津川と桂川の洪水が同時に合流して逆流。向島、観月橋下流約2kmの左岸が約450m決壊。旧巨椋池干拓地、佐山村、御牧村一帯の2,880haが25日間にわたり浸水した。 京阪本線の宇治川鉄橋と木津川鉄橋間の築堤が崩れ不通に、10月1日単線にて仮復旧。翌29年5月に修復工事が竣工した。このほか宇治線で線路冠水、中書島で変電所が浸水する被害を受けた。 大阪府 - 死者26名、全壊家屋756戸、半壊家屋3,354戸、流失家屋121戸、床上浸水13,434戸、床下浸水150,354戸。被災人口738,797人。それまでは淀川支川が同時に洪水になることはないと思われていたが、木津川、桂川、宇治川の上流3支川が同時に洪水を起こしたため淀川本川もまれに見る洪水を起こした。支川の芥川右岸堤防が女瀬川との合流点付近で約150m決壊。富田町、三箇牧村、味生村一帯の1,700haが浸水。 支川の桧尾川左岸堤防も約60m決壊。約480haが20日間にわたり浸水したため京阪神急行電鉄が運行不能に陥った。 滋賀県 - 死者…43名、行方不明…4名、負傷者…497名、被災人口189,001人。。滋賀県内でも屈指の河川である野洲川と安曇川の堤防が相次いで決壊。安曇川では青柳村二ツ矢付近の堤防が決壊し13戸中10戸が流出し死者13名。。 野洲川では三カ所450mに渡って堤防が決壊し死者三名。300haの田畑が浸水。
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