海洋プラットフォームとは? わかりやすく解説

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かいよう‐プラットホーム〔カイヤウ‐〕【海洋プラットホーム】

読み方:かいようぷらっとほーむ

海洋開発などの作業を行う土台となる構造物海底油田天然ガス田採取海底ケーブル敷設などに利用する海底打ち込んだ係留索で固定する方式と、大深度海域でも利用できる浮体式に大別される


海洋プラットフォーム

読み方かいようぷらっとふぉーむ
【英】: offshore platform

海洋において生産もしくは掘削および生産両方作業実施するための土台となる海洋構造物類を海洋プラットフォームと称する掘削専用のものは海洋掘削装置称され別途説明されている。海洋プラットフォームを機能的に分類すると、坑井保護居住生産処理、掘削および生産、貯油など、その目的多岐にわたっている。型式的に分類すれば次の 5 型式となる。
(1) 固定式プラットフォームfixed type platform):現在世各地海洋で最も一般的に用いられている型式で、水深 300m 程度最大312m)まで設置実績がある。この型式プラットフォームは、鋼管類で溶接組み立てられジャケットパイル海底面固定し、その上部にデッキ・コラムと称する構造物設置し、さらにその上に生産処理施設掘削施設居住施設などの必要諸施設類を搭載する。これらの搭載施設は、その種類ごとにあらかじめコンパクト組み立てられ簡単にプラットフォーム据え付けられるように製作されており、モジュール呼ばれるプラットフォームはその用途に従っていろいろなモジュール搭載することになる。なかでも掘削施設生産処理施設居住施設および関連施設すべてを搭載したプラットフォームを全搭載プラットフォーム称することもある。また単に生産井圧入井の保護プラットフォームはウェルヘッド・ジャケットと称することが多い。固定式プラットフォームジャケット組み立て設置を必要とするので、技術的に水深約 600m 、経済的に水深300m が一応の限界とされている。
(2) 浮遊プラットフォームfloating type platform):中小規模海洋油田開発大規模油田における開発までリードタイム短縮し早期生産開始を図るなどの、主として経済的理由により、最近世界各地使用実績増している型式プラットフォームである。この型式は、生産処理施設並びに関連施設既存タンカージャッキアップ式、セミサブ式の海洋掘削リグ改造して搭載したもので(この目的のために新造することもある)、他のフィールド移動し再利用が可能である。なお、最近ドリル・シップ生産処理施設搭載し、貯油能力付加したような1坑井プラットフォーム SWOPS(single well oil production system)がマージナル油田用に提案され開発されつつある。SWOPS はマージナル油田以外に、長期プロダクション・テストにも活用は可能であり、一定量の油を生産する一時的に生産中止し最寄り基地に油を移送する
(3) 重力式プラットフォームgravity type platform):設置すべき海洋構造物重量により、海底面構造物固定する型式プラットフォームで、コンクリート製鋼製2 種類がある。この型式のものは、海底地盤強固安定し、かつ均質であることが設置大きな条件となっている。北海ボンベイ沖などで実績はあるが、固定式プラットフォーム比較し貯油施設設置しやすい、建造コストが安いなどの利点はあるものの、プラットフォーム建造場所、設置海域海底地盤いろいろな制約があるため、あまり一般的ではない。
(4) 人工島man‐made islandartificial island):氷海域を始めとする特殊環境下の海域用いられる型式プラットフォームで、土砂利用して人工的な島(グラベルアイランドとも称される)を築き掘削生産処理、居住区などの諸施設設置したのである。これには土砂盛って陸地構築する方式(ロックフィル方式)と大きな鋼製ケーソン着底させ、その内部を土砂などで充てんする方式ケーソン方式)とに分けられる。この型式は特殊であるため北極海ボーフォート湾、カリフォルニア沖などに見られるのみである。
(5) 揺動プラットフォームflexible type platform):固定式プラットフォームの持つ技術的経済的限界カバーし大水深においても対応できるように開発され型式で、固定式プラットフォーム違いジャケット相当する部分海洋構造物に加わる外力吸収するのでなく、別の手段外力吸収する方式である。この型式は現在、以下の 2 方式開発されている。(i) ガイド・タワー・プラットフォーム(guyed tower platform):ジャケット張り綱により外力および構造物荷重支えプラットフォームで、このジャケット相当する部分をガイド・タワーと称し固定式プラットフォーム異なり掘削生産用機材荷重はガイド・タワーで支持し波浪などによる横荷重張り綱により支持される。(ii) テンション・レグ・プラットフォーム(tension leg platformTLP):大水深の海域用の生産プラットフォーム一種であり、生産設備搭載した潜水型プラットフォームを、海底固定基礎結んだ数本のテンション・レグ(鋼製パイプまたはワイヤー)により固定するプラットフォーム動揺抑えるため、プラットフォーム浮力持たせ、それを海底固定されたテンション・レグの張力により保持する建造費が水深影響をあまり受けないため、固定式プラットフォーム代わる大水深用生産プラットフォーム有力な方式一つである。実油田への適用例としては、Conoco 社により北海ハットン油田採用されており、1984 年 8 月から生産行っている。上記 2 方式は、各々プロトタイププラットフォームが1基稼働しているのみで、多分に実験的性格強く、まだ完成されたものではないが、今後大水深用プラットフォームとして非常に注目集めている。

図 テンション・レグ・プラットフォーム



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