海外、三十数か国を巡り、世を絶つ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/26 14:40 UTC 版)
「鏡花縁」の記事における「海外、三十数か国を巡り、世を絶つ」の解説
唐敖、林之洋、多九公たちは、東口山、君子国、大人国、労民国、聶耳国、無腸国、犬封国、元股国、毛民国、毘騫国、無継国、深目国、黒歯国、小人国、蚤国、跂踵国、長人国、麟鳳山、白民国、淑士国、両面国、穿胸国、厭火国、寿麻国、結胸国、炎火山、長臂国、翼民国、豕喙国、伯慮国、巫咸国、岐舌国、智佳国、女児国、軒轅国、三苗国、丈夫国を巡る。現在の世の中を風刺し、ある程度のユートピアの理想を託している。それぞれ中国と文化風習思想体型などが違い、珍しい光景を目の当たりにする。時として辛辣な時勢風刺となっている。東口山では、唐敖は空草や朱草という仙人界の薬を食べ、重い物持ち高く跳ぶことができるようになる。さらに、途上で、鮫人、蠶女、當康、果然、麟鳳、狻猊などの奇異な生物を目にし、多くの奇妙な風習を知る。例えば女児国では、中国と男女の風習が入れ替わっており「男はスカートを着て、婦人となり、家事をする。女は靴や帽子を付けて、男となり、家の外で働く。(男子反穿衣裙,作為婦人,以治内事;女子反穿靴帽,作為男人,以治外事)」。君子国では、住人がすべて人格者であり、「国王は厳命を出し、もし臣民に珍しい宝を献上するものがあれば、その宝を焼き捨てない限り、刑罰に処す。(國主向有嚴諭,臣民如將珠寶進獻,除將本物燒燬,並問典刑)」、また人民は互いに礼儀正しく譲り合い、「士人も庶民も、富貴や貧賤に関わらず、挙措や言動が、恭しく礼儀正しくないものがいなかった(士庶人等,無論富貴貧賤,舉止言談,莫不恭而有禮)」。また、東口山で駱紅蕖、君子国で廉錦楓、元股国で尹紅萸、黒歯国で盧紫萱・黎紅薇、麟鳳山で魏紫桜、淑士国で司徒嫵児、両面国で余麗蓉、巫咸国で姚芷馨・薛蘅香、岐舌国で枝蘭音、女児国で陰若花に出会い、その多くを保護する(この12人が海外に流浪していた12名花)。枝蘭音と女児国の太子である陰若花は同行することになった。途上、様々な小事件が起きる。特に、女児国では国王に林之洋が見初められ、後宮にいれられ、貴妃に任じられた上で、纏足を施されてしまう。唐敖の機略により、林之洋は解放される。丈夫国から不死国を目指す途中で、嵐にあい、小蓬莱に流される。ここで、唐敖は俗世を離れる気持ちは変わることはなく、山に入り仙人となり、戻らなかった。林之洋、多九公は探したが、世を絶った旨の七言絶句を見つけて断念し、嶺南にもどる。(第9回~第40回)
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