沿革と教義
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「ヘヴンズ・ゲート (宗教団体)」の記事における「沿革と教義」の解説
ジャック・バレーの著書「メッセンジャーズ・オブ・デセプション」によると、この団体はアップルホワイトが心臓発作による臨死体験から生還したとしている1970年代はじめに活動を開始した。彼らは、みずからをヨハネの黙示録11章3節に記された「二人の証人」になぞらえた。当初は精神的な書籍を扱う書店の経営を行ったがうまくいかず、国内を移動しながらその信仰を宣伝することにつとめた。 アップルホワイトとネトルスは、自分たちをさまざまな名前で呼んでいた。「Bo and Peep(ボー・アンド・ピープ)」や「Do and Ti(ドゥー・アンド・タイ)」がよく知られている。また、団体の名称もさまざまなものが使われており、バレーが取材したときには HIMを称していた。 ヘヴンズ・ゲートの中心的教義は、個人の霊的成長であり、人間はより高次の段階に意識を進化させるために、地球で学ぶ学生であるとされた。「天の王国」から「魂の萌芽」を受け取っている一部の選ばれた人間は「人間以上のレベル」の王国への帰還を願うが、帰還のためには性愛や家族関係といった人間的な条件を克服する必要があるとされた。彼らの教義は中世の修道僧と比較することができる。信者たちは物質的なものを捨て、非常に禁欲的な生活を送った。教団は強く連結し、すべてのものが共有されていた。アップルホワイトを含む6人の男性メンバーは禁欲的な生活をしやすくするために自ら進んで去勢を行った。「天の王国」の宇宙人は地球人を見守っており、真理を伝えるために二千年前にイエスを派遣したが、人間が真理を聞き入れないために、何度目かの終末的危機が近づいてきていると考えられた。人間の堕落は「神の王国」から転落した宇宙人「ルシファー教徒」の影響もあり、現在の地球の宗教や倫理を作り上げたのは、ルシファー教徒による悪の組織であるという。 資金面では、ハイアー・ソースという名称でウェブサイト構築のサービスを行って顧客から報酬を得ることで成り立っていた。 この団体は公式的には自殺に反対をしていた。かれらの考えによれば、自殺という行為はそれが示されたときに「ネクスト・レベル」にそむくものと考えられていた。 地球の「リセット」の前に地球を去って生き残る方法として、かれらはいくつかの方法を考えていた。そのうちのひとつは、この世界では忌み嫌われているものだった。「この世界や肉体さえも厭うわれわれの信仰心を試すのならば、たとえ「ネクスト・レベル」の存在を実証できなくても旅立つこともできる」。 信者達は、「ネクスト・レベルの子供」であることの証として、名前(ファーストネーム)の後に「オディ」をつけることになっていた。このことは集団自殺の数日前にあたる1997年3月19日に収録されたアップルホワイトの最後のビデオ「Do's Final Exit」で説明された。
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