沖縄の FBIS
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沖縄県読谷村残波岬にあった米軍基地ボーロー・ポイントが米中央情報局 (CIA) の海外最大の盗聴拠点だったことが、米国の公開された内部文書で明らかになっている。1949年にボーロー・ポイントにFBISが運営する瀬名波通信施設が開設され、アジア全域、特に日本や中国、ベトナム、ソ連のラジオやテレビの放送、新聞のファクス送信などを24時間態勢で傍受し、1980年代には1カ月に最大135万語の資料と、数百時間のテレビ録画を米本国の本部に送信していたという。 「ボーローポイント」も参照 FBIS の報告書によると、放送の傍受だけではなく、対象国でのイベントで政府高官や軍関係者の顔写真を複写しデータベース化し保存、また沖縄では沖縄メディアや抵抗運動などの情報調査も担っており、NHK沖縄放送局から沖縄タイムスや琉球新報まで各種メディアを傍受していた。沖縄の本土復帰の際には、他国の政府機関としては施設の使用を継続できなかったので、米国側は在沖縄米陸軍の一部(トリイ通信施設)に編入する内部手続によって活動を継続させた。 例えば1985年2月6日のFBIS月報によると、瀬名波通信施設のFBISは、傍受した情報を、同じ読谷村のトリイ通信施設の陸軍特殊部隊グリーンベレー、楚辺通信所内の米国家安全保障局 (NSA) や、在日米海兵隊の本部キャンプ・フォスター、埼玉県のキャンプ・ドレイクなどと共有しながら、衛星などでグアムや本国に送信されていたことがわかる。 2006年、瀬名波通信施設は日米特別行動委員会 (SACO) 合意で返還され、機能のいくつかはトリイ通信施設に移されたと思われているが、アンテナなどの設備の一部は瀬名波に残っている。 2012年に、FBIS の後継である CIA のオープンソースセンターは、沖縄での在日米軍駐留に関して親米的な世論を形作るための公式マニュアルを作成していた。
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