死者の内訳と死因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 00:35 UTC 版)
警察庁は2012年3月11日までに、岩手県、宮城県、福島県で検死された1万5786人の詳細を発表した。 年齢 0 - 9歳:2.95%(496人) 10 - 19歳:2.65%(419人) 20 - 29歳:3.26%(515人) 30 - 39歳:5.37%(847人) 40 - 49歳:7.07%(1,116人) 50 - 59歳:11.93%(1,883人) 60 - 69歳:18.66%(2,945人) 70 - 79歳:23.81%(3,759人) 80歳以上:21.42%(3,381人) 年齢不詳:2.48%(392人) 男性【7,360人 (46.62%)】女性【8,363人 (52.98%)】性別不詳【63人 (0.40%)】 死因 津波による溺死:90.64%(14,308人) 地震による圧死・損傷死・その他:4.23%(667人) 火災による焼死:0.92%(145人) 不詳:4.22%(666人) この震災での犠牲者の死因のほとんどが、津波に巻き込まれたことによる水死であった。津波の中には、大量の砂や海底のヘドロ、港湾施設の重油などの有害物質などが含まれていた。砂などの異物が肺に入れば気管を詰まらせ、有害物質が肺に入れば身体を侵し、その場合ほとんど助からなかった。水死に至る経緯は、これらで呼吸困難になったり、がれきが当たり意識を失ったり、3月の雪の舞う中で低体温を伴ったりなど、様々な経緯もあったと考えられる。 圧死、損傷死、焼死も、ほとんどが津波によるがれきが要因となっている。 建造物の倒壊や土砂崩れ、天井の非構造部材の落下、高所からの落下など、地震の揺れそのものが原因による犠牲者は、福島県36人、茨城県18人、宮城県13人、東京都7人など、分かっているだけで90人に上る。 岩手、宮城、福島の3県では、腕や脚などが見つかり身元が判明したものの、頭部未発見のために死者に計上されていない人が2016年6月10日時点で171人いる。「親指だけ見つかっても、亡くなっているとは限らない」などの理由による。この数を行方不明者数から除外するかどうかは3県で判断が分かれている。 静岡大学防災総合センターは、津波の浸水範囲の居住者数に対する死者、行方不明者数の割合をまとめ、明治三陸地震と比較した。それによると、最大は宮城県女川町の11.97%、次いで岩手県の大槌町と陸前高田市でともに11.72%となった。明治三陸地震については、浸水域ではなく市町村の人口に対する犠牲者の割合を出したが、岩手県釜石市で約50%になるなど11市町村で15 %を超えており、今回の津波では防災対策に一定の効果があった可能性がある。
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