歌詞世界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 22:25 UTC 版)
初期の頃のプラントは、作詞は既存曲からの引用が多く見られ(例:「ハウ・メニー・モア・タイムズ」、「胸いっぱいの愛を」など)、これがツェッペリンの盗作癖の根拠にされたが、3作目の『レッド・ツェッペリン III』からは完全にオリジナルの作品に切り替えた(ただし、以降も「トランプルド・アンダーフット」や「俺の罪」のような古いブルース・ナンバーからの引用がみられるものもある)。特に『レッド・ツェッペリン IV』の「天国への階段」は高く評価されているが、本人は「天国への階段」を頂点とは考えておらず、それどころか「心底嫌いな曲」とまで言い放った事がある。 プラントの作詞家としての開花には、J・R・R・トールキンの『指輪物語』からの影響が強く、他にもケルト民話や北欧神話などファンタジーの世界を題材に求める事が多かった。彼らの代表作にもなった「移民の歌」(『III』収録)や「アキレス最後の戦い」(『プレゼンス』収録)もこれにあたる。他のロックバンド同様、女性やセックスに関する歌詞も少なくないが、身近な事象に対する心情を表現したものも多かった。「サンキュー」(『II』収録)は当時の妻のモーリーンに、「スノウドニアの小屋」(『III』収録)は当時の愛犬「ストライダー」に、「オーシャン」(『聖なる館』収録)は娘のカルメンに、そして「オール・マイ・ラヴ」(『イン・スルー・ジ・アウト・ドア』収録)は亡き息子カラックに捧げられている。一方で政治的なメッセージや社会問題を題材にする事はほとんどなく、せいぜい「ザッツ・ザ・ウェイ」(『III』収録)が差別問題を匂わせる内容となっている程度だが、この曲はアメリカツアーでバンドが受けたアメリカ人からの横暴な振る舞いがきっかけで作られたものである。 自身のアイドルにエルヴィス・プレスリーやジョニ・ミッチェルを挙げており、両者に逢えた時には子供の様にはしゃいだという。また自身のルーツであるブルースの他にも民族音楽に対する造詣も深く、アルバム『フェイト・オブ・ネイションズ』(1993年)以降はアラブ音階やフォークなども取り入れている。また、ペイジ・プラントの『ノー・クォーター』(1994年)ではモロッコの民族音楽を取り入れた。
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