権力の獲得と臨時政府への参加についての決議(メンシェヴィキ)
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「民主主義革命における社会民主党の二つの戦術」の記事における「権力の獲得と臨時政府への参加についての決議(メンシェヴィキ)」の解説
ツァーリズムにたいする革命の決定的勝利は、勝利した人民蜂起のなかから出現した臨時革命政府の樹立に現れるか、あるいは、なんらかの代議機関が人民の直接の革命的圧力のもとに全人民的憲法制定議会を組織することを決定して革命的イニシアティヴをとるということに現れるか、そのどちらでもありうる。 いずれのばあいにも、このような勝利は、革命期の新しい段階の発端となるであろう。 社会発展の客観的条件がこの新しい段階にたいして自然発生的に提起する任務は、政治的に解放されたブルジョア社会の諸要素が、自分の社会的利益を実現し、権力を直接掌握するためにたがいに闘争する過程で身分制的君主政体全体を最後的に一掃することである。 だから、歴史的性格からみればブルジョア革命であるこの革命の諸任務を実現する仕事を引きうける臨時政府も、解放されつつある国民のなかの相対立する階級相互の闘争を規制することによって、革命的発展を前進させるだけでなく、資本主義制度の基礎をおびやかすような、革命的発展の諸要因とも闘争しなければならないであろう。 このような条件のもとでは、社会民主党は、革命を前進させる可能性をもっともよく党に保障するような、ブルジョア諸政党の不徹底な利己的な政策と闘争するさいに党の手をしばることのないような、またブルジョア民主主義派に党が解消するのを防止するような立場を、革命の全期間にわたって維持するよう、つとめなければならない。 だから、社会民主党は、臨時政府内で権力を奪取したり、分有することを目標とすべきではなく、最左翼の革命的反政府党にとどまらなければならない。 もちろん、この戦術は、もっぱら蜂起の波及と政府の解体とを促進するために、あれこれの都市または地帯で、部分的に、挿話的に、権力を奪取し、もろもろの革命的コミューンをつくるのが、適切であるばあいのあることを、けっして排除するものでない。 ただ一つのばあいにだけーーすなわち、社会主義を実現する諸条件がすでにある程度成熟している西ヨーロッパの先進諸国に革命が飛火するばあいにだけーー社会民主党は、権力をにぎり、できるだけ長く権力をその手に維持することに、みずからすすんで努力を注がなければならないであろう。このばあいには、ロシア革命のかぎられた歴史的限界をいちじるしく押しひろげることができ、社会主義的改革の道にすすむ可能性が現れるであろう。 革命の全期間をつうじて社会民主党が、革命の過程で次々に交替する政府のすべてにたいして、最左翼の革命的反政府党の地位を保つことを意図した戦術をたてることによって、社会民主党は、その権力を利用するーー自党の手に政府権力がはいってくるならーーことにたいしても、もっともよく準備をととのえることができる。
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