格闘ゲームブーム以後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/05 14:02 UTC 版)
「対戦アクションゲーム」の記事における「格闘ゲームブーム以後」の解説
この「対戦アクションゲーム」なる言葉自体が、意識的に「対戦主体のアクションゲーム」を指すものとして語られるようになるまでには、1990年代末期まで時代が下る必要があった。この頃には1991年のカプコンによるアーケードゲーム『ストリートファイターII』以来続いてきた対戦型格闘ゲームの流行が下火になっていた。その原因の一つは「操作方法が複雑に発展し、それについていけないプレイヤーが離れていった」ことである。そこでいくつかのゲームメーカーが、その原因を取り払って幅広いプレーヤー層に対戦の面白さをアピールするために、対戦型格闘ゲームへのアンチテーゼとして、徹底的に簡略化した操作系にこだわったゲームを作るようになった。その結果として出来上がったゲームには、最早「技数豊富な格闘技・剣技で緻密な戦略を立て合い戦う」「正確にコマンドを入力して連続技を決める」といった格闘ゲームらしい要素は薄れてしまい、代わりに「純粋に反射神経の良さを競う」「アイテムなどをうまく用いる」などの、どちらかと言えば従来のアクションゲームに近い能力をプレイヤーに求めるものになった。そこで、こうしたゲームのジャンル名からは「格闘」の2文字が取り除かれ、「対戦アクションゲーム」と呼ばれるようになったのである。 この時期における先駆的作品として第一に挙げられるのは、1999年初頭にNINTENDO64向けに発売された『大乱闘スマッシュブラザーズ』である。この作品には、任天堂の人気キャラクターが多数出演し、3Dスティックと3ボタンのみからなる単純な操作系などのシステムが搭載されている。この作品は最終的に、日本国内だけで200万本近いソフト出荷数を達成するに至り、後にシステムの根幹はそのままにシリーズ化もされた。 なお、格闘ゲームからは離れた出自ではあるが、1995年に登場したアーケードゲーム『電脳戦機バーチャロン』はゲームセンター内に『ザ・キング・オブ・ファイターズ'95』や『バーチャファイター2』のような名だたる格闘ゲームが並ぶ中で、人間同士の格闘をテーマにしたゲームではないながら、対戦台としてそれらの作品と筐体(ゲーム機)を並べ高インカムを稼ぎ出したことにより、プレイヤーやゲームセンターの経営者、そしてゲーム業界内の人々に対し「格闘でなくとも対戦ゲームは成立・成功する」ことを強く印象付けることになった。これ以降は3Dロボットアクションゲームにも機動戦士ガンダム vs.シリーズなどの対戦ゲームが登場している。家庭向けではアーマード・コアシリーズが本編(ストーリーモード)とは別に人間同士の対戦モードを搭載したことで初期から公認・非公認の大会が開催され、後にはチーム同士のオンライン対戦も可能となった。
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