東地中海でよく見られたファランクスとは? わかりやすく解説

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東地中海でよく見られたファランクス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:18 UTC 版)

ファランクス」の記事における「東地中海でよく見られたファランクス」の解説

最も古いファランクスもしくはそれに似た隊形は、紀元前2500年ほどの南メソポタミアですでに確認できる。鎧の有無不明だが、大盾による密集陣形がこの当時存在していたことを示している。しかし、その後中東では複合弓発明によって戦場主役の座は弓兵となっていく。その後紀元前700年頃のアッシリアでも同様の隊形用いられていたことが石版から確認できるが、鎧兜着用した重装歩兵用いたファランクス大々的用いたのは紀元前7世紀以後古代ギリシアである。古代ギリシアにおいてファランクス構成していたのは一定上の富を持つ市民階級であり、当時地中海交易発達から甲冑普及して重装歩兵部隊編成することが可能となったまた、都市国家形成されたことから同じ目的意識持った集団生まれたこともファランクス形成影響した重装歩兵が、左手円形大盾を、右手装備し露出した半身を右隣の兵士の盾に隠して通例8列縦深程度、特に打撃力を必要とする場合はその倍の横隊構成した戦闘経験少ない若い兵を中央部配置し古兵最前列最後列配したが、右半身露出することから、特に最右翼列に精強兵が配置された。同等な横幅をもつ敵と対峙して前進する際、これらの兵士は盾のない右側面を敵に囲まれまいとして右へ右へと斜行し、隊列全体がそれにつれて右にずれる傾向があった。攻撃の際は横隊崩れないように笛の音合わせて歩調をとりながら前進した部隊編成は、8人から12人で編成される一列が3列縦隊を組むエノーモティア最小編成単位であり、2個エノーモティアで1個ペンテーコストゥス(五十人隊)(ギリシア語版、ドイツ語版)、2個から4個ペンテーコストゥスで1個ロコスギリシア語版、英語版)を編成するが、ポリスごとに具体的な編成変わってくる。 戦闘に入ると100人前後の集団密集して陣を固め、盾の上から突き出して攻撃した。前の者が倒れると後方の者が進み出て交代しまた、後方の者が角度変更することで敵の矢や投げ槍払い除けることも可能で、戦闘状況柔軟に対応できる隊形でもあった。逆に部隊全体機動性は全くなく、開けたような場所でないと真価発揮しない。また、正面以外からの攻撃には脆い。 基本的にファランクス激突正面衝撃力と殺傷力を保持していたため、一旦乱戦になると転回機動難しく機動力使った戦術としては用をなさなかった。時代が下ると、会戦において数的劣勢にあった側はファランクス改良加え戦力補完した。テーバイ将軍エパメイノンダス使用した斜型密集隊形はロクセ・ファランクス(loxe phalanx, 斜線陣)と呼ばれレウクトラの戦いにて、勇名轟かせスパルタ軍を数で劣勢にあったにもかかわらず打ち負かした。 ここで用いられたロクセ・ファランクスは、一般的にいってファランクス弱点である右側面(上述最右翼の兵は右半身露出していることによる)を確実に打ち破るため、スパルタ軍の12列縦深に対してテーバイ左翼50列縦深をとるというものだったファランクスは縦深が深いほうが、盾での押合い(オティスモス)において有利であり、消耗して隊形維持して持ちこたえることが可能となり、縦深は極めて重要な要素であった。ロクセ・ファランクスはその特性活かした陣形といえる

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