本格焼酎ブーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 04:18 UTC 版)
日本では、2003年頃から焼酎乙類を対象とする「本格焼酎ブーム」が起き、同年には焼酎類全体の出荷量が日本酒の出荷量を約50年ぶりに上回り、2004年には売上高もピークを迎えた。ブームに伴って、本格焼酎を専門に扱う焼酎バーも登場している。 ブームの影響によって、材料や製法にこだわった焼酎も盛んに市場へと送り出された。鹿児島で本格焼酎は1.8Lあたり1500円前後の商品が消費の中心であるが、より美味しい焼酎を望むニーズと、作り手のこだわりによって高価格で本格志向の焼酎も登場した。 しかし、少なからぬ弊害も生じた。ブームのピーク時には芋焼酎の原料となるサツマイモが市場に不足する深刻な問題が起きたほか、一部銘柄ではプレミアがつき、一本数万円などという値段が付けられるようになり「森伊蔵」については偽物が出回る事件にまで発展した。 本格焼酎需要急上昇に伴い、各地で焼酎の生産設備拡充や休止酒造場の再開、新規参入などが図られた。しかし2006年初頭からブームは沈静化、例えば帝国データバンク福岡支店は2006年の売上が2年連続で下落したことから焼酎ブームは去ったと分析し、ブームの反動・縮小による焼酎業界への悪影響を懸念しており、日本銀行鹿児島支店が2008年2月に公表した、今回の焼酎ブームについてまとめたリポートでは「今回のブームは終焉した」と指摘、「銘柄選別の時代に入った」と結論付けた。このような状況であったが一方で麦などから芋などへの素材に対する嗜好の広がりが起こったことにより、帝国データバンク福岡支店によると、焼酎メーカー上位50社の2008年1 - 12月の売上高合計は前年比3.8%増の3471億9500万円で、ピークの2004年を上回り、「過去最高」を記録するなどブームの底堅さも見せている。
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