服用方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 10:02 UTC 版)
「ブロンプトン・カクテル」の記事における「服用方法」の解説
塩酸モルヒネ水溶液は速効性があり、基本的に4時間ごとで5回の服用(6時、10時、14時、18時、22時で、22時には二倍量を服用)だが、1日4回(起床時、昼、夕方、就寝時)でもほとんどの場合は痛みを抑えることが可能である。患者の好みによって、レモンやワインなどで味つけもできるし、味付けをせずに、塩酸モルヒネ服用後に好きな味の飲み物を飲むこともできる。投与量はあくまで痛みの度合いに沿った分量であり、かつて決められていた1日当たり60ミリグラムという極量にこだわる必要はない。痛みがひどい場合には、1回分またはその半量を臨時で服用する。15分たてば効果が現れ、30分の間隔を置けば次の分を臨時使用することも可能である。また、1日の回数を決めてしまうとその回数に縛られがちになるため、1日何回でも使用が可能であることを指示する必要がある。もっとも、あまりに回数が多い場合は、モルヒネそのものの1日当たりの量が不足していないか、あるいはモルヒネの効きにくい痛みではないかということも考えられるので、患者の様子を見ながら、モルヒネを増量するなり、薬剤変更の検討なりがなされなければならない。 WHOでは鎮痛剤の経口投与を勧めている。モルヒネの血中濃度は 疼痛域(副作用はないが、痛みがある) 至適濃度(痛みがなく、副作用もない) 中毒域(痛みはないが、副作用が現れる) の3つに分けられるが、注射でのモルヒネ投与の場合は、1度に投与する分量が多いため、至適濃度を突き抜けて中毒域にまで達していた。そのため副作用がかなり強く、その後血中濃度が下がると痛みがぶり返し、また注射、そしてまた副作用という悪循環だった。 経口での投与の場合は、コンスタントに服用することによって、モルヒネを至適濃度内に長時間保つことができる。この状態を保つのに最適な投与の間隔は4時間ごと、1日6回服用で、これが今のがんの痛みの緩和治療の基礎になっているが、実際はモルヒネの水溶液の場合でも、起床時、昼、夕方、寝る前の4回で十分であるし、硫酸モルヒネ徐放錠(MSコンチン錠(英語版))ならば、1日2回から3回の服用でも大丈夫な場合もある。副作用としては、便秘、吐き気・嘔吐、眠気、混乱、呼吸抑制、尿閉、かゆみ、口が渇くなどの症状がある。こういった副作用の克服のために、それぞれの症状に応じた薬での対応が求められる。また、モルヒネを服用することによって耐性がつき、増量しなければならないのではという声や、依存性を心配する声もある。前者の場合は、耐性がつくというよりは、むしろ痛みが強くなったために増量が行われると考えるべきである。また依存性は精神的なものと身体的なものの2種類があるが、前者は医師の処方のもと正しく服用すれば、モルヒネに依存してしまうことはない。後者は、理由があってモルヒネを経口で服用できなくなった場合など、薬を中断した時に起こるが、皮下注入などで継続するという方法がある。 皮下注射や静脈注射でも、継続して投与していけば、適度な血中濃度を保つことが可能で、経口投与以上に血中濃度が平均したものになる。しかし、口からの服用が可能な場合には、経口投与が一番簡単であるため、推奨されている。
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