服薬指導とは? わかりやすく解説

服薬指導

Instruction of medication

【概要】 患者家族医師薬剤師薬物療法、つまり薬剤保存法使用法、副作用の種類対処仕方などについて指導すること。高み立った者から見下ろしている感じがあるので、最近は服薬援助とか服薬支援とか「お相談」という言葉に置き換わりつつある。保険医療では「療養担当規則」によって服薬指導という言葉規定されている。薬学的な知識バックボーンしながら対人コミュニケーション知識技術習得して患者良好な人間関係を築く必要である。

《参照》 アドヒアランスコンプライアンス服薬支援


服薬指導

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 07:19 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動

服薬指導(ふくやくしどう、英:Patient Compliance Instruction)は、薬剤師が患者に対して処方薬の情報提供を行うことである。

概要

薬剤師法第25条の2に義務として定められている。薬物の使用に当たってはその適切な使用が重要であり、医師の意図と異なる服用方法を行った場合には薬効が過剰あるいは不十分となり、病態を悪化させる可能性がある。薬剤師はこのようなケースを前もって防ぐために患者に処方薬の薬効と服薬方法、服薬の意義について分かりやすい言葉で説明し、薬物療法に対する理解を得る必要があり、この患者に対する説明を服薬指導と呼ぶ。

保険調剤における服薬指導等の業務に、「薬剤服用歴管理指導料」として規定された点数分の費用を請求することが出来る[1]

2018年(平成30年)6月14 日の国家戦略特別区域諮問会議において、愛知県、兵庫県養父市及び福岡市でのテレビ電話等による、遠隔服薬指導の実施に関する計画が認定された。今後は、全国で実施できるよう法整備を図る予定である[2]

義務

薬剤師法第25条の2剤師法には服薬指導に関して以下の通り条文として明記されている。

薬剤師は、販売又は授与の目的で調剤した時は、患者又は現にその看護にあたっている者に対し、調剤した薬剤の適正な使用のために、必要な情報を提供しなければならない。

つまり、服薬指導は薬剤師や患者の意思により自由に行われるものではなく、販売・授与の目的で調剤を行った際には必ず行われなければならないものであり、もし服薬指導が行われなかった際には薬剤師に対して責任が付きまとうこととなる。

服薬指導のポイント

上記に述べた通り、服薬指導とは患者に納得して処方薬を服薬してもらうための説明を行うことであるが、ただ一方的に説明すればよいというものではない。服薬指導では患者の訴えを聞くことも大切であり、薬剤師にはコミュニケーション能力が問われる。患者の中には「医者には本音を話しにくい」と考えていたり、「医者と話したときにはいい忘れたけれども、そういえば…」というような具合で言いたい事を思い出したりして、薬剤師から薬を受け取り、服薬指導を受ける際になって本音を話してくれる例も多い。患者からこのような本音の声を聞きだすには信頼関係の構築が必須であり、服薬指導はこのような声を情報として医師にフィードバックする働きも有している。服薬指導の記録は薬歴として保存し、今後より良い薬物治療を行うために活用する。

また、一部の疾患(特に)では患者への告知が問題となり、薬剤師が抗癌剤を見て機械的に「これは癌を治す薬です」などと患者に説明することは厳禁である。主治医の方針によっては癌であることをまだ告知していない場合も考えられ、スタッフとの密な連携が必要である。小児や妊婦、高齢者などの患者でも服薬指導には注意を要し、相手に応じた指導を行う必要がある。

問題志向型システム

問題志向型システム(: Problem Oriented System、POS)とは、患者の持っている医療上の問題に焦点を合わせ、その問題を持つ患者の最高の扱い方を目指して努力する一連の作業システムである。薬剤師が問題志向型システムに基づいて服薬指導を行うには、患者が持つ問題を一つずつ解決法を考え、それを実践・評価し、記録するというのが1クールとなる。この記録形式としてSOAP形式が知られている。

SOAP形式とは薬歴の作成を主観的事項(S:Subjective)、客観的事項(O:Objective)、評価(A:Assessment)および計画(P:Plan)の各項目に分けて記述する方法である。

  • S:患者の訴えを記述。(例:「咳が出るようになったんだ」)
  • O:薬剤師から見た患者の状態について記載する。現在服用している薬、スタッフの話などの情報もここに記載。(例:痰は出ていない様子、現在xxxを服用中)
  • A:SとOから考えられることを記述。(例:副作用空咳の可能性も有り)
  • P:Aを受けて、計画を立てる。(例:経過観察し、続くようであれば降圧薬の変更を主治医に持ちかける。)

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ 平成30年度診療報酬改定の概要 調剤 (PDF)”. 厚生労働省 (2018年3月5日). 2019年4月12日閲覧。
  2. ^ 国家戦略特区におけるいわゆる遠隔服薬指導への対応について - 厚生労働省 (PDF)”. 厚生労働省 (2018年7月18日). 2019年4月12日閲覧。

服薬指導

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 02:48 UTC 版)

調剤」の記事における「服薬指導」の解説

医薬品は、服用方法起きうる副作用とその対処方法など、適正な情報と共に提供しなければただの化学物質しかない。たとえ患者不要であると言っても患者認知能や性格、あるいは併用既往歴などを考慮し適切な情報提供する事が必要となる。これは薬剤師法医薬品医療機器等法など法令でも義務付けられている。

※この「服薬指導」の解説は、「調剤」の解説の一部です。
「服薬指導」を含む「調剤」の記事については、「調剤」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「服薬指導」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



服薬指導と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「服薬指導」の関連用語

服薬指導のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



服薬指導のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
中四国エイズセンター中四国エイズセンター
Copyright (C) 2025, Chugoku-Shikoku Regional AIDS Center
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの服薬指導 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの調剤 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS