曳き合い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/02 15:52 UTC 版)
元々曳き合いは町内を曳き回す各山車が、すれ違う時や追い越す時は神社に向かう山車に優先権があるルールであるが、交渉が決裂し優先権のない山車が道を譲らないと昼夜を問わず「けんか」と言われる曳き合いが始まった。曳き合いは山車が時に勢い良く後退したり回転して、轢かれたり、挟まれたり等大変危険であり、1954年(昭和29年)に起こった2人の少女が死傷した事故により4年間の曳き回し自粛のあと、現在のように、17日は岩瀬諏訪神社前の県道で、18日には岩瀬小学校西側の忠霊塔前の道路で開始時間を決め、回数も例年5回ずつ行なうようになった。 曳き合いは表方の町と浦方の町(中立はどちらかに属する)で対戦する。曳き合いは約20m離れた開始線に対峙した2基の山車に繋がれた2本の縄を、表方、浦方に属するそれぞれの他町の人々も協力し手を貸す総力戦で行われる。 曳き手を鼓舞するように激しく太鼓が打ち鳴らされる中、互いの山車の後部まで左右に別れ走って引き出す。動きだした山車は勢い良くドォーンと大きな音を立て、山車の後輪が浮き上がるほど激しくぶつかったあと、曳き手の合いの手に合わせ威勢の良い掛け声を上げながら、引き続け、相手の山車を後退させ勝敗を決めるいわゆる綱引きのようなものである。山車後方ではガワ(車輪)や梶棒と山車の間にテコ棒を5、6本差し込み固定させ後退を防ぐ。 曳き合いは大変危険なため、曳山車関係者や警察などが参加者や見物人に注意喚起ならびに整理を行なっているが、近年では2000年(平成12年)に飛び入りの参加の男性がロープと山車の間に挟まれ死亡。2011年(平成23年)には山車の後方でテコ棒を持ち車輪を固定していた町内参加者が2基がぶつかった際後退した山車に轢かれ大怪我をしているため、2012年(平成24年)より引き合いの際のロープ引き役のコースを遮らない、山車の後ろの見張り役に2人を充てるなど、新たな安全対策をとることとし、違反した町内は来年の祭礼不参加を申し付けるなど厳しい罰則を設けた。 なお現在も昔の曳き合いの名残として、昼間に他の山車とすれ違う際話し合いにより余興で近距離から軽くぶつけ、そのあと引き合うことがある。ここでは各町の老若男女が綱を引く。
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