曲頸類と潜頸類の出現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 04:57 UTC 版)
中生代の三畳紀末(約2億1,200万年前)の大量絶滅では、爬虫類や単弓類も大型動物を中心に多くの系統が絶え、当時はまだ比較的小型であった恐竜がそれ以降、急速に発展していく。カメが進化の系統上に現れるのもこの時期からである。既知で最古のカメであるオドントケリスは水生、次いで現れたプロガノケリスなどはその骨格から、陸生であったと考えられている。プロガノケリス類の化石は、ドイツ、タイ、南アフリカで多数発見されており、少なくともジュラ紀初期まで分布していたことが分かっている。プロガノケリス・クェンステドティ(Proganochelys quenstedti)が発見された地層からは、プロテロケルシス・ロブスタ(Proterochersis robusta)が発見されている。見つかっているのは甲羅と骨盤のみであるが、腰骨が甲羅に癒合しているという特徴があった。これは曲頸類と共通する特徴である。そのためこれを既知で最古のヘビクビガメ類とし、曲頚類は三畳紀後期には出現していたとする説もある[要検証 – ノート]。しかし、頭骨や頸椎などは発見されていないため、これが曲頸類なのか平行進化の結果なのかは判然としていない。 カメはその原初から1億年の間に淡水域・陸上・海域に適応するそれぞれの系統に分岐した。現生カメ類の種の大部分を含む潜頸類が発展したのは、ジュラ紀である。最初の潜頸類とされるのは、カイェンタケリス・アプリクス(Kayentachelys aprix)で、ジュラ紀初期の地層である米国アリゾナ州のカイェンタ累層(Kayenta Formation)から出土した。この種は北アメリカ大陸最古のカメ類である。 潜頸類は、ジュラ紀末には湖や川にいた曲頸類とほぼ完全に入れ替わった。また、この時期には、陸生の種も分岐したと考えられている。大規模な大陸移動の一環としてジュラ紀末にはゴンドワナ大陸が分裂したと考えられているが、このときに新しくできた海岸線によって化石種および現生種の陸棲カメの分布地域が分けられたと考える研究がある。 最初のナガクビガメ属の化石ケロディナ・アランリクシ(Chelodina alanrixi )は、オーストラリアのクイーンズランド州にある新生代第三紀始新世の地層から発見された。[要検証 – ノート]。
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