日本相撲協会の土俵における「女人禁制」
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「「女性は土俵から降りてください」騒動」も参照 一部の神事として行われる女相撲、相撲の近代スポーツ化において創始された女子相撲、国際相撲連盟・日本相撲連盟が統括するアマチュア相撲の大会の土俵には女性が上がることができる。女子相撲の普及に伴い、世界大会で優秀な成績を収める選手を収める選手(野崎舞夏星・今日和など)を輩出しており、女性による相撲の存在も徐々に認知されはじめている。 しかし日本相撲協会(大相撲)はこれらとは由来が異なっている。大相撲の由来は江戸時代からの寺社建立・修繕の費用を集めるための「勧進大相撲」であり、もっぱら女人禁制の神社仏閣の境内で行われていたため、土俵上だけでなく観客席含めて全てが「女人禁制」で興行されていた。その後、明治五年に太政官布告第98号「神社仏閣女人結界ノ場所ヲ廃シ登山参詣随意トス」により神社仏閣の境内への女性の出入りが解禁、女性客が大相撲を観戦することが可能となった。日本相撲協会は現在も観客席を除く土俵の部分だけは「女人禁制」としているが、通常の観客である限りにおいて直接の不利益を被ることが少ないこともあり女性ファンによる反対運動には至っていない。女性差別として問題視される事案の発生も発生していることについては、一部の報道人・政治家・相撲ライターなどが差別禁止の日本国憲法第14条1項を根拠として『伝統』という曖昧な理由で女性を不浄視せず男性と等しく扱うよう求めている。 同志社大学卒業後はアイシン精機の相撲部に所属している今日和は、2021年9月にNumber Webの記者が『大相撲の女人禁制と闘う力士』として取材・質問をしていることに対し「大相撲をはじめ、モンゴル相撲やスポーツとしてのアマチュア相撲、奉納相撲など、相撲にはいろんな種類や側面があります。その中で女人禁制というのは、大相撲だけにある考え方なのかな、と私は思っていて。だから私たちは大相撲の土俵に上がるよりまず、オリンピックの土俵に上がりたいね、って話しているんです」と話した。また同月の朝日新聞の取材に対して「私がしているアマチュア相撲と大相撲は別物だと思っているので、大相撲の女人禁制は気にならない。(相撲が)単純に近代スポーツとして発展していくことを望んでいる」と断言している。
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