日本将棋連盟との対立
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「日本女子プロ将棋協会」の記事における「日本将棋連盟との対立」の解説
2007年の発足以来、日本将棋連盟会長の米長邦雄との軋轢や仕事の斡旋での度重なるトラブルがホームページ上等で取り沙汰されていた。 石橋幸緒を代表理事とするLPSAは、2012年7月1日付で、それまではLPSA所属のツアープロであった渡部愛を、独自の規定(女流棋士認定基準)により女流棋士(女流3級)と認定した。 その後、渡部を日本将棋連盟の運営する女流公式戦に女流棋士として出場させるよう連盟に求めるLPSAと、連盟の定めた女流棋士認定基準は曲げられず、LPSAの要求は受け入れられないとする、連盟(並びに女流公式戦スポンサー)との対立が深刻化した。 2013年1月28日、LPSAは、1月30日に予定されていた第6期マイナビ女子オープン準決勝の里見香奈女流四冠 - 石橋幸緒女流四段戦について「対局を断念する」と発表した。同日、LPSAは「第6期マイナビ女子オープンに関する、マイナビ、連盟、LPSAの三者間における契約解除の通知書」を連盟に送付した。1月30日、石橋は里見との対局を放棄した。 連盟は2月22日に記者会見を開き「LPSA及び石橋がマイナビへの謝罪を行い、さらに女流棋士認定基準について協議に応じるなら渡部への特例を認める」という妥協案をLPSAに提示したが拒否されたことを明らかにした上で、今後について「LPSAとは新規の棋戦契約を行わない」「石橋については連盟主催の棋戦への出場を最低1年間禁止する」等の方針を発表した。LPSAは連盟の会見内容に対して反発し、対立は泥沼化した。 その後、LPSAは6月19日に「株式会社マイナビ様への謝罪」という文章を公式サイトに掲載し、LPSAに一定の非があることを認めた。これを受けて、連盟は7月1日付で渡部の女流3級扱いを特例として認めた。しかし、LPSAの謝罪文が1か月程度で取り下げられたこと、また8月に石橋が『週刊新潮』誌上 で連盟・マイナビを批判する発言を行ったことなどから、10月2日に連盟は (1)従来LPSAとの間で締結していた棋戦運営に関する合意書を9月30日の期限切れをもって更新しないこと、(2)現在のLPSAとは一切の契約・交渉を行わないことを発表した。 2014年1月28日、LPSAは、石橋が1月末で現役を引退し、理事の任期が満了する2月25日に代表理事を退任し、同日付でLPSAを退会することを発表した。2月25日に開かれたLPSAの定時総会で、中倉宏美が代表理事に就任した。同日、記者会見を行った中倉は、連盟や女流公式戦スポンサーに対して「迷惑をかけてきたことをおわびし、関係を修復していきたい」と述べ、これまでの路線を転換する方針を打ち出した。4月19日、中倉は連盟・女流公式戦スポンサーへの謝罪文を公表した。5月30日、LPSAは「公益社団法人日本女子プロ将棋協会 棋士規程」を改定し、LPSAの女流棋士認定基準を、連盟の女流棋士認定基準()と事実上同一とした。6月1日、連盟はLPSAと改めて「棋戦運営に関する合意書」を締結した。
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