日本密教の灌頂
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:41 UTC 版)
結縁灌頂(けちえん かんじょう)出家や在家、あるいはその対象を問わず、どの仏に守り本尊となってもらうかを決める儀式。投華得仏(とうけ とくぶつ)といい、目隠しをして曼荼羅の上に華(はな)を投げ、華の落ちた所の仏と縁を結ぶところから結縁灌頂の名がある。投華灌頂(とうか かんじょう)ともいう。 各曼荼羅には鬼神や羅刹なども描かれるが、その場合でも、祀り方等や儀式を伝授される。 受明灌頂(じゅみょう かんじょう)修行して密教を深く学ぼうとする人に対して行われる。仏と縁を結ぶ入門的な結縁灌頂と違い、弟子としての資格を得る灌頂なので、弟子灌頂ともいう。 また、密教を学ぶための資格である「十四根本堕」や、「八支粗罪戒」等の三昧耶戒を授かることから、現在の日本密教では「許可灌頂」(こか かんじょう)ともいう。 伝法灌頂(でんぼう かんじょう)金胎両部伝法灌頂ともいう。阿闍梨という指導者の位を授ける灌頂。日本では、鎌倉時代に覚鑁の十八道次第を先駆とし成立した四度加行(しど けぎょう)という密教の修行を終えた人のみが受けられる。ここで密教の奥義が伝授され、弟子を持つことを許される。また仏典だけに捉われず、口伝や仏意などを以って弟子を指導することができる。伝法灌頂を受け阿闍梨位を得て、はじめて真言宗の正式な僧侶となる。 別名を「阿闍梨灌頂」、または「受職灌頂」ともいう。 また、日本では鎌倉時代から幕末にかけて天皇の即位式には即位灌頂という行事が行われていた。灌頂を受けた者として、後鳥羽院・後深草院の名が記録されている。
※この「日本密教の灌頂」の解説は、「灌頂」の解説の一部です。
「日本密教の灌頂」を含む「灌頂」の記事については、「灌頂」の概要を参照ください。
- 日本密教の灌頂のページへのリンク