日本国外の花見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 15:28 UTC 版)
チューリッヒ近郊のショッピングモールの飾り付け ワシントン大学(アメリカ合衆国シアトル) 日本統治時代がある台湾や韓国でも花見をする習慣がある。沖縄県より南に位置する中華民国では、1月下旬から4月頃まで様々な品種のサクラが咲き、特に旧正月明けから陽明山や阿里山といった名所に多数の花見客が押し寄せる。新潟県とほぼ同緯度にある韓国のソウルでは、4月初旬頃からサクラが咲き始める。漢江沿いの1600本以上のソメイヨシノのサクラ並木周辺では「永登浦 汝矣島 春の花祭り」が開催され、数百万人が訪れる。 中華人民共和国には、日本人が直接植えたり贈ったりしたサクラがある大連市旅順口区(龍王塘桜花園、203高地)、武漢市(東湖桜花園、武漢大学)などが有名である。 個人・企業・各種団体の民間国際交流、あるいは姉妹都市交流を通じて、日本庭園が造られたり、街路樹としてサクラ並木が造られたり、公園内にサクラ並木が造られたりし、花見および日本文化祭が始まる例も見られる。 アメリカ合衆国の首都ワシントンD.C.のポトマック河畔には、1912年に東京市から寄贈されたサクラが植えられており、全米桜祭りが毎年行われている。同祭ではパレードやステージショーも開催され、アメリカ最大の日本文化祭となっている。ニューヨーク州ニューヨーク市のブルックリン植物園(英語版)園内のサクラの遊歩道も、第一次世界大戦後に大日本帝国から贈られ、現在はサクラ祭りが開催されている。アメリカ合衆国では他に、ジョージア州メイコンでは多数のサクラが植えられており、「世界のサクラの都」を自称しており、「国際桜祭り」が開かれる。ハワイ州は熱帯なので大規模なサクラ並木はなく、ハワイ島のワイメアは高地にサクラが育っていて、「ワイメア桜伝統祭り」(Waimea Cherry Blossom Herirage Festival)が2月初旬に開かれる。 札幌市より緯度が高い北ヨーロッパでも、フィンランドの首都ヘルシンキのサクラ公園(フィンランド語版)は2007年に造られたばかりだが、既に花見と日本文化祭が開催されている。スウェーデンのストックホルムの王立公園(Royal National City Park)にも、日本から寄贈を受けたサクラが多数植えられていて、サクラ祭りも行われる。デンマーク・コペンハーゲンの人魚姫の像がある埠頭近くのランゲリニエ公園(Langelinie Park)の噴水池の両側には、広島市のアンデルセンが寄贈した二列のサクラ並木があり、ここでもサクラ祭りが行われる。 ブラジルでは日系人移民がサクラの植樹をする例が見られ、特にサンパウロのカルモ公園には約4000本のサクラがある。南半球にある同市では8月初旬の見頃の時期に合わせてさくら祭りが開催されており、多くの人々が集まる。なお、同じ日本文化である「七夕祭り」の時期でもあるため、七夕の「短冊」が満開のサクラの枝にくくりつけられるという独特の風習も生まれている。 ショッピングモールの飾りつけの1つとして花見をモチーフにする場合には、日本文化を象徴する様々なアイテムを混ぜ込む例も見られる。
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