日本のムラ社会関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 13:56 UTC 版)
「褌祝」および「夜這い」も参照 日本における話として、赤松啓介が1994年に刊行された『夜這いの民俗学』において、かつて男のフンドシ祝いや女のコシマキ祝い(以前はオハグロ祝いと呼んだ)では儀式的に初体験を行う場合があり、この際に周りの人に阻害された場合などで父娘や母息子といった組み合わせで初体験を済ませてしまう場合は存在したようだが、あまりそういうことについてうるさく話さないという了解があったとしている。 しかし、赤松啓介は障害者に関して本来は他人が行うべき性教育を身内の人が行わざるを得なくなったために近親同士で妊娠させてしまっている場合もあること、またハンセン病患者や知的障害者は近親性交が原因で地元を離れるはめになる場合があったことなどの例を挙げ、一般の研究者がこういった社会の暗黒面の真実を全く見ようとしないことについても批判的に取り上げている。なお、赤松啓介は近親性交を理由に立ち退いた知的障害者は都市部のスラムなどにおいて夫婦同然の暮らしをしている場合もあるとした。 赤松啓介は、青森県下北郡東通村目名の1909年10月に改則された「若者連中規約」に連中に所属していない者に対しては肌を接することもしてはならないという規則があることを指摘するが、実際問題として目名のある尻屋崎周辺の尻屋、尻労や岩屋といった村落はかつては孤立的だったとはいえ、こんなことをしていては血族結婚で村落が内部崩壊を起こしていたはずであるため、おそらく厳密に守られていなかったのではないかと考察する。赤松啓介は、国家の支配に基づく「一夫一婦限定性民俗」を打破し、かつて存在した近親者間の性関係を含む「不特定多数式自由性民俗」を復活させるべきであると主張した。 アメリカ合衆国においては政治家でもあるルイス・リビーが、1996年に『ジ・アプレンティス』という小説を発表した。この小説は1903年の日本を舞台とし、さまざまな性的場面が描写されているが、その中には日本におけるオジ姪相姦についての描写もあった。リビーはその後、副大統領ディック・チェイニーの首席補佐官も務めたが、合衆国政府がイラク戦争において大量破壊兵器をサッダーム・フセイン政権下のイラクが所有しているというプロパガンダを正当化するため、米中央情報局 (CIA) のエージェントの身分の意図的な情報漏洩を行ったとするプレイム事件で、リビーが主導者の隠蔽目的の偽証罪で逮捕・起訴されたことで、この書物がメディアの脚光を浴びることになった。
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