日本における採用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 04:17 UTC 版)
「カルダン駆動方式」の記事における「日本における採用例」の解説
1951年頃から、主要私鉄および重電メーカー・車両メーカーの協力によって、既存車両の駆動装置を改造する形で研究が進められた。 1952年には国鉄の電気式気動車キハ44000形で初めて直角カルダン駆動方式の45kWモーターが試験的に採用された。44000形の系統に属する電気式気動車は1953年までに30両が製造されており、一般の電車に先駆けての大量導入であったが、1958年頃までに液体式変速機への改造で廃されており、定着には至っていない。 私鉄電車では1953年3月竣工の東武鉄道5700系5720番台車(直角カルダン搭載)と同年7月竣工の京阪電気鉄道1800型(中空軸平行カルダンおよびWNドライブ搭載)が新製車としての初期の例であるが、いずれも半ば先行試作的なものであった。ただし、様々な不調に苦しんだ東武5700系5720番台とは異なり、京阪1800型は完成後直ちに営業運転に充当されており、日本の電車としては最初の実用化成功例となっている。 大量に製造された最初の例は、アメリカのWH社などから最新技術を導入して1953年から製造された営団地下鉄(現・東京地下鉄)300形(WNドライブ搭載)である。 路面電車では同じく1953年の東京都交通局5500形電車(WNドライブおよび直角カルダン搭載)が最初となった。また5500形と同年に大阪市交通局3000形も直角カルダン駆動車として落成した。 日本におけるカルダン駆動の元年となった1953年に同方式を本格採用した鉄道車両は、上記の5社5形式のみであったが、翌1954年以降に大手私鉄を中心に急速に一般化、一般電車への採用が遅れていた国鉄も1957年のモハ90系電車(のちの101系)でカルダン駆動方式に移行している。1960年代以降は、日本国内向けに新製されるほとんどの電車がカルダン駆動方式を用いるようになり、21世紀初頭の現在では吊り掛け駆動方式をほぼ駆逐している。移行の詳しい経緯は吊り掛け駆動方式の項目を参照。 近年の傾向として、VVVFインバータ制御と誘導電動機の組み合わせの普及の結果主電動機の小型化並びに高出力化・高回転化が推進されたことから、中実軸の電動機を用いるWN式、TD継手式のいずれか(事業者によっては両者を併用)が主流となりつつある。 なお、電気機関車においては日本ではカルダン駆動は欠点が多いとされ、普及していない。
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