日本における「重賞」
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日本では、古い時代には「重要な競走」を表す用語としては、「特別競走」や「大競走」が用いられてきた。中央競馬では1990年代まで4歳牝馬特別(現在のフィリーズレビューやフローラステークス)や阪神牝馬特別(現在の阪神牝馬ステークス)などのように、「特別」という名称がつく「重賞」競走があった。地方競馬ではプリンセス特別(笠松競馬場、現在のラブミーチャン記念)のように、「特別」という名がつく重賞競走が少なくとも2014年まで現存していた。 日本でも重賞のスケジュールは年度ごとの発表であり、なおかつ頻繁な条件の変更は行われないのに対し、一般競走・特別競走の番組が一部をのぞいて中央競馬では年3回、地方競馬では当該開催の直前に所属馬の動向に鑑みて発表されることから「重賞はパターンレースの一種」であるということは間違いない。 重賞に対応する言葉としてグレード競走(グループ競走)という表現が用いられることも多いが、日本にはグレードなどの格付けのない重賞も地方競馬を中心に多数存在する。特に、日本中央競馬会が、国際セリ名簿基準委員会による「国際パート1」に認定後、2(3)歳限定競走に国際グレードが取り入れられるようになった2010年以後、新たに重賞競走の認定を受けた競走に関しては原則として最低2年間は格付けなしとするルールが設けられている。準重賞は地方競馬では現在も用いられている。なお、2019年度から中央競馬においても、上記の通り『リステッド競走(L格付け)』を定めている。 中央競馬では、降雪などにより出馬投票後に芝コースからダートコースに馬場変更となった場合には重賞競走のままであるが格付けは設定されない。エルコンドルパサーが勝利した1998年の共同通信杯4歳ステークスなどがこれにあたり、降雪で本来の芝1800メートルからダート1600メートルに変更となったため格付け(JRAGIII)が外された。この取り扱いは1984年2月4日から実施されているものであり、1984年1月に芝コースからダートコースに変更されて施行した4競走(アメリカジョッキークラブカップ、日経新春杯、中日新聞杯、京都牝馬特別)については当初の格付けのままであった。 競馬中継などで出演者が単に「重賞」と言った場合はGI競走を除いたGII・GIIIの競走を指していることが多い。
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日本における「重賞」
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「競馬の競走格付け」の記事における「日本における「重賞」」の解説
戦前の日本では、しっかりとした定義はなく「特に賞金の高い競走」に「重賞競走」の語が曖昧に用いられていた。もっぱら賞金に着目した用語としては、ステークス競走には特別登録料を収めることから「特別競走」というような訳語が与えられた。これ以外にも「特殊競走」(賞金が第三者の援助によるもの)、「大競走」(特に賞金が多いもの)などのといった語が使われ、これらが「重要な競走」とみなされた。 なおこの観点では、ステークス方式は馬主同士の賭けとみなされるため、刑法上の規制を受けることになる。そのため後に成立した旧競馬法ではステークス方式(特別競走)は刑法の対象とはならない旨が定められたが、地方競馬はこの対象外のため、地方競馬では「特別競走」は存在しないこととなる。 1953年から国営競馬(日本中央競馬会の前身)では、「特別競走の中でも特に出走馬のレベルが高く賞金が多いもの」を「重賞」と称し、番組表に導入することになった。日本では「重賞」そのものの定義はなく、「重賞競走一覧」に掲載された競走が重賞である、ということになる。したがって日本では、競走の区分は一般競走、特別競走があり、特別競走は重賞とそうでないもの(ただの特別競走)に分類されている。 欧米では「特別ではない競走」としてアローワンス(allowance)競走というものがあり、日本ではこれを「一般戦、一般競走」などと訳している。このほか一般戦に分類されるものとしては、クレーミング競走(馬を売却する目的で出走させるもの)、メイドン競走(未勝利戦)などがある。
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