既存商店街が抱える問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 13:50 UTC 版)
「溝口 (川崎市)」の記事における「既存商店街が抱える問題」の解説
かつての街道筋の宿場町は川崎市北部の商業および行政の中心地として発展してきた。しかし、近年発展した交通網による買物客の都心への流出や、郊外型スーパーマーケットの乱立による商圏撹乱、それらによる在来商店街の空洞化といった、他の近隣商業地域が抱えるのと同等の問題にやはり直面している。 市の都市計画では車道と歩道を確保する計画が立てられているが、元々かなり狭い道路であるため、市の計画を実施する場合は角地にある一部商業ビルの敷地の大部分が道路用地として削られ、該当する建物は事実上建て替えができないといった矛盾を抱える。また計画中には駐輪帯の確保が考慮されておらず、自転車で来店する客が多い商店街の実情に合っていないという問題も指摘されている。 もともと溝口周辺は多摩川の扇状地であるため地形が平坦で、また古くから発展した住宅街のため路地が狭く、地域住民の足として自転車が広く活用されており、環境負荷の低い輸送手段が根付いている現状は社会の要請に合致していると言える。しかし、市の都市計画では専ら自動車中心の道路整備が進められており、歩行者や自転車などの既存利用者にとっては必ずしも利用しやすい街並みになっていない実情がある。 例えば、直近の再開発で造られたペデストリアンデッキ(駅前歩道橋)の商店街方面出口が大変狭くて利用しにくい、再開発事業で用意された駐輪場も早朝・深夜の電車利用者および昼間の買物客の利用実態に則していない、歩行者・自転車での来客が大半を占めるにもかかわらず四輪車通行止めなどの措置が全く取られておらず危険である、買物客用駐輪帯が確保されていないため買物客の自転車が雑然と置かれてしまう、などの具体的な問題点が、以前より市議会や市民会議などで再三指摘されている。このうち、自動車の問題は一向に対策が進まないものの、駐輪場の問題については2006年頃から対策が進み始め、例えば平地に買い物客用駐輪場(2時間半まで無料)が設けられる、南口に24時間開放の駐輪場が多く確保され利用料を段階制にする(駅に近い駐輪場を割高に、駅から遠い駐輪場は割安に料金設定することで均等に埋まるようになった)といった施策が奏効しつつある。また、予定されている旧平瀬川(高津中央病院裏)の暗渠化工事により捻出された用地を買物客用駐輪場にすることも検討されている。
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