政治共同体とは? わかりやすく解説

政治共同体 (nation)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/11 17:54 UTC 版)

国民」の記事における「政治共同体 (nation)」の解説

何らかの共通属性根拠にしてまとまった広域政治的共同体を、集合的に国民と呼ぶこともある。国民は、居住する地理範囲一つ国家形成することが予定されるそのような条件を満たす国家を、国民国家と呼ぶ。この意味での国民は、民族重なる例が多いが、言語・文化もとづかない国民もあるため、完全に同等というわけではない。 国民が持つとされる属性は、文化・言語宗教歴史経験など国によって基準異なる。また、どのような基準とっても国内外にそこから外れる人がでてくる。そのような逸脱に対しては、同化排斥追放などの動き生じ場合がある。 国民は、共通属性産物ではなく政治産物である。国民擁護者出現し、その宣伝教育成功して人々が自らを宣伝され区分での国民であると自覚したときに、国民生まれる。ベネディクト・アンダーソンは以上のように説き国民を「想像の共同体」と規定した実際に、共通属性を持つ集団国民意識生まないことは非常に多くスイス例のように共通属性がないところに国民意識生まれることも稀にある。 デイヴィッド・ミラーは、ナショナリティ(国民意識)はナショナル・アイデンティティとして、人間アイデンティティ構成する重要な要素だという。ただし、他のアイデンティティ排除したり、特権的な位置にあるわけでも無いと注意している。また、ナショナリティにはネーション同胞国民)という倫理共同体作り正義分配といった規範形成しある種義務感生じさせる機能がある。ナショナリティによって作り上げられネーションは、共同物事決めていく政治基本的な単位であるという。 一方対内的には、国民という概念は、政治一部特権者や有力者だけに関わるものとする考え退ける。少なくとも観念的には、その範囲内のすべての人を身分財産能力等に関わらず政治共同体の中に含め国家行為すべての人の共同行為とみなす。 それゆえ国民という概念からは、ある共通属性から外れる人を排除し場合によっては差別し)つつ、区切った範囲内においては人を平等化するという二重の作用生まれる。このような国民求め運動は、歴史的には、18世紀ヨーロッパで国民主義として始まり20世紀には世界中広まった最高法規である憲法において国民主権定め国家において、国民主権有し、主に選挙権及び被選挙権以って参政権行使することができる。

※この「政治共同体 (nation)」の解説は、「国民」の解説の一部です。
「政治共同体 (nation)」を含む「国民」の記事については、「国民」の概要を参照ください。

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