政府・与党内の動き
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「皇室典範に関する有識者会議」の記事における「政府・与党内の動き」の解説
小泉首相は皇室典範改正案の成立に積極的であり、施政方針演説では次のように明言した。 象徴天皇制度は、国民の間に定着しており、皇位が将来にわたり安定的に継承されるよう、有識者会議の報告に沿って、皇室典範の改正案を提出いたします。 — 内閣総理大臣小泉純一郎、2006年(平成18年)1月20日、第164回国会衆議院本会議における施政方針演説 一方、与党自由民主党では“ポスト小泉”の総裁候補がいずれも改正に慎重な態度を示した。当時内閣官房長官だった安倍晋三は、有識者会議が「男系維持の方策に関してはほとんど検討もせず、当事者である皇族のご意見にも耳を貸さずに拙速に議論を進めたこと」を批判した、フジテレビの番組では「ずっと男系で来た伝統をすぐ変えるかどうか、慎重になるのは当然ではないか」と発言した。麻生太郎、谷垣禎一らも改正に慎重な姿勢を示した。 ところが2月10日、秋篠宮妃紀子の懐妊の報により与党内で慎重論が強まったことを受けて、小泉首相は皇室典範改正法案の提出を先送りすることを発表した。そして、9月6日、秋篠宮文仁親王と同妃紀子に第3子長男である若宮悠仁親王(当時:皇位継承順位第3位)が誕生したことにより、当面の間、皇位継承権者が不在となる可能性が遠退くと、親王誕生当日には2007年の通常国会でも法案の提出を行わない意向を示した。 小泉の後任となった安倍は首相就任後の2006年(平成18年)10月3日、参議院本会議において「慎重に冷静に、国民の賛同が得られるように議論を重ねる必要がある」と発言し、有識者会議が初会合から短期間で女系継承容認の報告書をまとめたことを批判した。翌2007年(平成19年)1月には、「悠仁親王の誕生により(有識者会議の)報告書の前提条件が変わった」として、有識者会議の報告書を白紙に戻す方針を示し、「男系による皇位継承維持の方策について、政府内で議論を開始する」とした。 なお、小泉純一郎自身も、総理退任後の2016年(平成28年)9月7日、日本外国特派員協会で会見し、「男の子が生まれているときに、この議論はしない方がいい。男の子として継ぐ方(=悠仁親王)がおられる限りは、そういう女性の天皇を考える必要はない状況になった」として、「女性天皇や女系天皇に関する議論はすべきではない」と表明した。
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