持論・エピソード
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/08 00:49 UTC 版)
座右の銘は「真金不鍍 好菜不説」である。純金にはメッキはいらず、良い野菜には説明はいらないという意味である。菊原によると、飛行機の設計においても良いものであれば飾りが無くても評価される。ユーザーが使えば良し悪しはわかるので、ユーザーと向き合う姿勢を忘れてはいけない。なお、この言葉は中華料理店の宣伝のマッチで見つけたという。 戦後は国内の需要だけでは航空機の採算が取れないので、市場を世界に求める必要があり、外国への輸出を第一に考えなければならないと述べている。また、アメリカから製造権を買い、製法を学んでいるが、これは一度きりで良くて、長く続けると研究者や技術者の能力を失う恐れがあり、日本はできるだけ早く自力開発できるようになる必要があると考えていた。航空機技術の進歩は新しい飛行機の試作で促進される。試作を通じて経験と知識が累積し、その間に新しい問題点の所在が明らかになり、次の研究を産むと述べている。また、データの技術的価値は、時間と共に急速に低下する。大切なことは背後にある原理であり、直面する問題の本質を見極めることが大切と考えている。 二式飛行艇を使った1942年6月のハワイ爆撃については、アメリカでの心理的効果は大きかったが、飛行艇としては本来の使命ではないと冷ややかな見方をする一方、ガダルカナルからの兵士の引揚輸送に活躍したことは設計者としてこれほど嬉しいことはないと感想を述べている。 馬場敏治によると、アイディアの多い人で一日経つと新しいことを考えてきたと評している。また、木方敬興によると、菊原は問題が難しいほど面白いと感じ、常に考え続けて答えを見つけているという。
※この「持論・エピソード」の解説は、「菊原静男」の解説の一部です。
「持論・エピソード」を含む「菊原静男」の記事については、「菊原静男」の概要を参照ください。
- 持論・エピソードのページへのリンク