憲兵の軍服
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 22:14 UTC 版)
「軍服 (ドイツ国防軍陸軍)」の記事における「憲兵の軍服」の解説
プロイセン王フリードリヒ2世が創設して以来、ドイツ(プロイセン)の憲兵隊はナポレオン戦争、普墺戦争、普仏戦争と拡大を続けたが、第一次世界大戦の敗戦で解散となってドイツ憲兵史はいったん中断を余儀なくされた。しかし1939年の第二次世界大戦開戦で憲兵隊の再編成が行われた。その中核となったのは秩序警察の一部門である国家地方警察(Gendarmerie)であった。これは人口の少ない地方自治体の治安維持を担当する警察だが、担当面積が広いため、かなり自動車化されており、その機動力が前線の軍警察任務に向くと判断されたのだった。 憲兵は野戦服自体は他の兵科と同じだが、国家地方警察が沿革であるため、憲兵の左腕には国家地方警察を示すオレンジの警察鷲章が入っていた(将校は銀、将官は金の警察鷲章)。また左袖にはチョコレートブラウン地にライトグレーで「Feldgendarmerie」(憲兵)という文字が書かれた袖章(カフタイトル)が付く。将校以上は基本的に袖章は付けない。また正規の憲兵ではなく前線で臨時に憲兵業務を行う補助憲兵もおり、その場合も袖章は付けず、ゴルゲット、あるいは腕章によってのみ憲兵の地位を示す。 肩章は1939年後半から陸軍型のオレンジの兵科色の肩章を付けたが、開戦直後の頃は憲兵および憲兵学校所属者は陸軍出向以前の警察肩章をそのまま使用することがあった。 また憲兵はリングクラーゲン(ドイツ語版)というゴルゲットを首からかけるのが特徴だった。このゴルゲットは軽金属製で仕上げは銀であり、鷲章と2つのボタン,ダークグレイのスクロールの上の「Feldgendarmerie」の文字が黄色い夜光塗料で塗られている。これは夜間の交通整理や警戒任務を想定してのことだった。ゴルゲットの裏には痛みを少なくするためにフィールドグレーの布が貼られていた。ゴルゲットを首から掛ける鎖は環輪が42個だった。この鎖のために憲兵は「ケッテンフンデ(Kettenhund、鎖でつながれた犬)」と呼ばれていた。 憲兵は任務の性質上サイドカー付きバイクをよく使用していたのでオートバイ兵コートを着ていることも多い。 憲兵を示すリングクラーゲン(ドイツ語版)(ゴルゲット) リングクラーゲンを首から掛けた憲兵の野戦服。国家地方警察の主任(Meister)の肩章を付けている。 左腕に国家地方警察鷲章や「Feldgendarmerie」の文字の入った袖章を付けた憲兵の格好をしたイベント参加者(2016年フランス・コート=ドール県。映画『大進撃』50周年記念の歴史再現イベント) 憲兵を示すリングクラーゲンを首にかけ、オートバイ兵コートを着用(ノルウェー国立司法博物館(英語版))
※この「憲兵の軍服」の解説は、「軍服 (ドイツ国防軍陸軍)」の解説の一部です。
「憲兵の軍服」を含む「軍服 (ドイツ国防軍陸軍)」の記事については、「軍服 (ドイツ国防軍陸軍)」の概要を参照ください。
- 憲兵の軍服のページへのリンク