カフタイトル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 17:00 UTC 版)
「制服 (ナチス親衛隊)」の記事における「カフタイトル」の解説
SSの制服の特徴の一つが「カフタイトル」である。カフタイトルは英語の呼び名であり、正式には「袖章」(Ärmelstreifen)という。 SSの制服には左腕の袖の部分にこれが付けられている事が多い。陸軍もグロースドイッチュラント師団など一部の部隊がカフタイトルを使用していたが、SSではより多くの部隊で使用されていた。 カフタイトルには所属する師団、連隊、本部、親衛隊地区などの名が書かれていた。たとえば一般SSの連隊所属者は、カフタイトルに所属連隊名が書かれ、カフタイトルの縁取りの色で所属大隊、番号で中隊を示した。(緑-第1大隊、青-第2大隊、赤-第3大隊、白-予備大隊)なお部隊によっては名誉部隊名がつけられている事があるが、その場合は名誉部隊名のカフタイトルが優先された。他部隊へ転属した場合には必ず新しい部隊のカフタイトルに変更しなければならなかった。ただ新しい部隊にカフタイトルがない場合は以前の部隊のカフタイトルを使用することが許可されていた。矛盾しない組み合わせの場合、一人が二つのカフタイトルを付けているケースも見られる。 親衛隊名誉指導者などにも独自のカフタイトルがあった。なお親衛隊全国指導者(Reichsführer-SS)の略称である「RFSS」のカフタイトルは親衛隊全国指導者ハインリヒ・ヒムラーの幕僚であることを表す。「Reichsführer-SS」のカフタイトルも存在するが、これは第16SS装甲擲弾兵師団「Reichsführer-SS」の隊員であることを意味しており、ヒムラーの幕僚のカフタイトル「RFSS」とは別物なので注意が必要である。 戦争中にはカフタイトルの授与式は厳かに行われた。そこに書かれている部隊の名前を汚すことがないようにという意味が込められるようになったためである。ただ外国人師団には師団名を与えられていない場合があったり、また与えられていてもカフタイトルは授与されなかったケースが多い。部隊名やカフタイトルがその部隊に与えられるためには、それにふさわしい戦功を立てることが期待されたといわれる。あるいは外国人部隊は本来はSS隊員としてふさわしくないという思想でそうなっていたのかもしれない。 カフタイトルに書かれる文字はヒトラーの手書きである「ライプシュタンダルテ・アドルフ・ヒトラー」以外は初めゴシック体で表記されていたが、後に標準ラテン字体に変更された。 LSSAH師団長ヨーゼフ・ディートリヒSS大将、左袖のカフタイトルにヒトラーの筆記文字による「Adolf Hitler」の文字 第34SS義勇擲弾兵師団「ラントシュトーム ネーダーラント」(Landstorm Nederland)のカフタイトル SS士官学校「バート・テルツ」(de)(SS-Junkerschule Bad Tölz)及び「フライコーア・ダンマルク」(Freikorps Danmark)のカフタイトル
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