御室神事とは? わかりやすく解説

御室神事

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 17:13 UTC 版)

ミシャグジ」の記事における「御室神事」の解説

旧暦12月22日になると、諏訪郡の郷民が奉仕し神原前宮)の一部建築した御室(みむろ)と呼ばれる広大な竪穴建物大祝神長下神職が参籠して穴巣始(あなすはじめ)と呼ばれる儀式始める。 『諏方大明神画詞』(1356年成立)には以下のように書かれている十二月廿二日、一の御祭大祝以下の神官、所末戸社に詣づ行列例の如し饗膳の儀又常の如し同日御室入、大穴を掘て、其内に立て、棟を高め葺きて、軒の垂木をささへたり今日第一御体を入奉る大祝下神参籠す。(中略) 同廿九日、大夜明・大巳祭。又御体三所入れ奉る其の儀式おそれあるによりて、是を委くせず。冬は穴にすみける神代の昔は、誠かくこそありけめ。 — 『諏方大明神画詞』「祭第七 冬」 『年代神事次第旧記』(室町初期成立)によると御室には4本、2本、2本がある。田中基計算によると24分の菅畳用意されたため、広さそれ以上ということになる。中には組の座」というものがあり、神長による祭事覚え書きである『年代神事次第旧記』(室町初期成立)には御室本体用材とは別に「東の角、南の角、棟木東西囲い」とあることから、御室中に設けられる仮小屋考えられる。「うだつ」とも呼ばれるこの構造物には大祝神長神使(おこう)しか入ることができなかった。破風には葦で壁体を作り、そこにミシャグジ祀ったという記録もあるが、このあたりの記述混乱しているため、これは御室自体破風を指すのか、「組の座」の破風を指すのか不明である。ミシャグジ依り代剣先板と呼ばれる板(後述)なのか、八ヶ岳西麓にある神野(こうや、禁足地とされた上社の神聖な狩り場)から切り出された笹なのか、それとも別のものなのかよくわからない22日祭事時に御室入れられる第一御体」とは、祭事に関する部分所々改変されている神長本『画詞』から、ミシャグジであることが明らかにされている。また「御体三所」は、『旧記』から「そそう神」と称する神霊後述)で、23日神事の項に「例式小へひ入」とあることから3つの蛇体であることが分かる。小に麻と紙をからめて立てられるが、これは注連縄に紙をつけ、大幣に麻を垂らすのと同じで、形に神格付着するためである。 『旧記』によると、24日の夜(大巳祭)にはミシャグジを依り憑けた「御笹」が「組の座」の左より、「御正体」(上記の3体の小)がその右より搬入される。「組の座」に安置された笹は「うだつの御左口神」とも呼ばれ3月丑日までに御室中に位置する大小形も同様で、3月まで御室納められていた。「組の座」の中で何が行われたのかははっきりしないが、大祝が笹を持ちながら唱え言をしたようである。 25日の大夜明祭にはハンノキ出来た長さ5丈5尺(約16m)、太さ1尺5寸(70cm)の蛇体3体と「又折(またおり)」と呼ばれるものが御室入れられる。「御身体」または「ムサテ」と呼ばれるこの形も「そそう神」であるという。すなわち、大小蛇体各々3体ずつ2日間を隔てて入れられている。田中基はこれについて、小大蛇急成長することで神霊であることを示した儀式的表現であると述べている。形が御室中に安置されるのは3月卯の日までである。

※この「御室神事」の解説は、「ミシャグジ」の解説の一部です。
「御室神事」を含む「ミシャグジ」の記事については、「ミシャグジ」の概要を参照ください。

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