形而上の宇宙論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 23:37 UTC 版)
バハオラは五つの存在領域を区別していた。使用される用語は部分的にはイスラーム・新プラトン主義にまで遡ることができるが、これはバハオラが新プラトン主義の世界観を立証することを意味するものではない。彼はすべての形而上学的見解を絶対的真理ではなく、精神、心理的、文化的な反映として相対的なものと見なしている。バハイ教は、主に社会倫理や個人倫理に焦点を当てながら形而上学の重要性を強調する。 神は五つの領域すべてに顕現し、人間は物質世界から天使的世界の間に存在する。 名称形容・描写シンボルカラーナースート(物質界) この物質世界は人間、動物、植物、鉱物の各界に分けられる。 真紅 マラクート(心霊界) 栄光の楽園。天使の領域、諸霊魂の世界。 緑 ジャバルート(中間界) 至高の天国、最上の集合。神の顕示者はここで個別な存在を得て、神の意志の径路となる。運命の書、神の筆。 黄色又は金色 ラーフート(神性の領域) 栄光の地平線、天上の宮廷、神の玉座。神の諸名称と諸属性はここにおいて現れる。聖霊、神のロゴス、神のヌース。神の普遍的顕示、シナイにて語る者、燃える柴、古えの美、アルファにしてオーメガ、最初にして最後、至高の筆。神の鳩、ガブリエル、神秘のナイチンゲール。 純白 ハーフート(”かの”領域) 神の顕れざる本質。「隠された宝」。絶対一性。 神的な世界はこの世界の回りを廻り、すべてが相互依存している。神的世界は隠喩によってのみ記述することができる。ナースートとマラクートは「創造の世界」であり、同じ霊的な法によって支配されている。この世界の人生の目的は、次の世界に必要な霊的な資質を育てることである。 バハオラはまた神の多くの世界について書いている。「スーレ・ヴァファ」では「神の世界はあなたたちの数法では数え切れず、あなたたちの尺度において無限であるという真実を知りなさい。全知、全賢なる神以外には誰もそれを思慮し理解することはできない」。アブドル・バハは「ローヘ・アファーキーエ」において、無限の世界に無限の神の顕示者たちがいる、と述べている。
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