弦楽器としてのベース
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 22:27 UTC 版)
「ベース (弦楽器)」の記事における「弦楽器としてのベース」の解説
Plucked string instrumentについて記述する。一般的に、ベースはチェロやギターの1オクターヴから2オクターヴほど音域の低い楽器とされている(構造や演奏法は各項目を参照)。楽器にはコントラバス、ギタロン・メキシカーノ、トロロッシュ、バスバンジョーなどがある。 弦の数は4 - 5本が主流であるがもっと少ないものも多いものもあり、一部のギターやマンドリンのように副弦を持つベースもある。チューニングもさまざまである(下の関連項目を参照)。概して、ネックはチェロやギターよりも長く弦は太い。ただし弦楽器の音域を決定する要因は弦の長さや太さだけではないため、必ずしもチェロやギターの低音弦より長く太い弦が張られている必要はなく演奏や運搬などの都合を考えて楽器を小さく設計してあるものも存在する。 単にベースと呼んだ場合はコントラバスかエレクトリックベースのどちらかを指すことが多いが、構造は「電気的に増幅することを前提として設計されているか否か(エレクトリックかアコースティックか)」「ネックを垂直に近く構えることを前提として設計されているか否か(アップライトかホリゾンタルか)」の組み合わせで大まかに4つに分けられる。 アコースティックかつアップライトであるもの クラシック音楽、ジャズなどで使用される楽器は、コントラバスであり、単に「アコースティックベース」「アップライトベース」、または俗称「ウッドベース」と呼んだ場合もコントラバスを指すことが多い。なお、コントラバスには他にもさまざまな呼び方がある(呼び方については「コントラバス」を参照)。 他にもヴィオローネ、マンドローネ、バスガンバなどが当てはまる。 エレクトリックかつアップライト 一般にはそのほとんどがいわゆるエレクトリック・アップライト・ベースで、これは、エレクトリックベースギターから派生した楽器である。使用頻度は低い。ポップス系の音楽を演奏することを前提としており、弓弾き(アルコ)には対応していないが、ネックや指板、ブリッジの形状はコントラバスに似せてあり、フレットレスで、奏法的にもコントラバスに近い技術を要求される。音を電気的に増幅するため、音量に関しては必ずしも共鳴箱を持つ必要がなく、音質の調整に必要な最小限の大きさにとどめてあるか、まったく備えていない。 数は少ないが、コントラバスから派生したモデルもある。エレクトリックベースギターから派生したモデルが弦長860mm前後であるのに対し、コントラバスと同様の1040mm前後の弦長を持ち、弓弾きが可能な大きく湾曲したブリッジを持つのが特徴である。 アコースティックであり、ホリゾンタルであるもの ホリゾンタル・horizontalは「水平」の意味である。英語的には発音は正しくない。使用頻度は低い。アコースティック・ベース・ギター等と呼ばれるものが代表的。構造はアコースティック・ギターとほぼ同じで、エレクトリックベースとほぼ同じ長さや形状のネックを持つ。演奏法はエレクトリックベースとほぼ同じ。 エレクトリックであり、ホリゾンタルであるもの そのほとんどがエレクトリックベースギター。略し方・愛称はさまざまでエレクトリックベース、ベースギター、エレキベース、エレベ、電気ベースなどとも呼ばれる。主な演奏者にはブーツィ・コリンズ、ラリー・グレアム、フレッド・トーマス、アンディ・フレイザー、メル・サッチャーらがいた。 アメリカのフェンダー社から発売されたプレシジョンベースがその草分け。指板にフレットをつけた("フレッテッド")ことにより正確な音階が出せるという意味で、プレシジョン(正確な)という名前が付けられた。フレットのないものもあり、単に「フレットレスベース」と呼ぶと「エレクトリックベースギターでフレットのないもの」を指すことが多い。 なおエレクトリックであるもののうち、楽器本体内部に共鳴箱を持たせてその振動をも増幅するものは区別して「エレアコ」「セミアコ」等と呼ぶことが多く単にエレクトリックベースギターと言った場合は楽器本体内部に共鳴箱がないソリッドボディのものを指すことが多い(エレクトリックアコースティックギターを参照)。
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