建設に向けての動き
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 04:18 UTC 版)
「ニカラグア運河」の記事における「建設に向けての動き」の解説
ニカラグア運河プロジェクトの総予算は、当初の400億ドルから500億ドルに訂正され、完成も2020年に改められた。パナマ運河はその拡張工事が完了し2016年6月26日に運用を開始したので、ニカラグア運河が開通しても採算性があるのか疑問視する声もある。総工費はニカラグアのGDPの5倍にもなる金額で、ニカラグア政府は中国主導による工事での波及効果を期待するが、強引な立ち退きや環境面への影響を危惧した住民による反対運動も続いている。 HKNDは、2012年に香港に設立されたばかりの情報技術企業で、中南米でのインフラストラクチャー整備のノウハウがあるのか疑問視されている。運河は開通後50年間の運営権がHKNDに与えられることが契約されており、さらに50年間の延長も可能になっている。HKNDには中国人民解放軍や中国共産党の関与も指摘されており、事実上100年間にも及ぶ「中国の租借地」になってしまうという意見もある。 中国の経済紙『財新網』によると、HKND社の責任者であり、通信企業・信威集団の董事長でもある王靖はこのプロジェクトを名目に、銀行などから巨額の融資を図ることが真の目的である。2015年6月の時点でまだ着工していなかった模様である。 2015年11月5日、ニカラグア政府は運河建設計画の環境社会影響評価を承認し、これによりHKND社は500億ドル以上とされている巨大運河の建設を開始することが認められた。 2016年10月のレポートでは、運河建設計画の進捗状況は不明とされている。 2016年12月、中国のポータルサイト・網易の調査レポートによると、王靖の主な事業である信威集団は実際、巨額な債務を抱えており、いつも新しい借金で古い借金を返済するようにしている。株主の構成も不明瞭で、投資家に見えない一般人や汚職する官僚なども大株主になっていた。信威集団の従業員の1人は、オルテガ大統領の息子が信威集団の本部まで来て、金銭を返すように要求したのを目撃したこともある。 2017年6月、ニカラグアと同様に中華人民共和国と国交のなかったパナマが、中華民国(台湾)と断交し、最大の港であるパナマ運河に近いマルガリータ島港の運営権を、99年間の契約で中国企業は手に入れたことにより、ニカラグア運河の重要性は、中華人民共和国にとって下がった。
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