市場崩壊とは? わかりやすく解説

市場崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 13:56 UTC 版)

アタリショック」の記事における「市場崩壊」の解説

こうして迎えた1982年クリスマス商戦では、かつてないほどの莫大な数のゲーム・ゲーム機が販売されることとなり、流通販売側も強気な在庫確保奔走した業界では1982年度ゲーム業界市場規模38ドル達するとの市場予測で、極めて楽観的であった。しかし現実前述のような状態で、北米ゲーム市場握っていたアタリ自社極めて楽観的な業績予測満たせる見込み12月時点なくなったため、12月8日アタリ1982年度の第4半期業績予測下方修正。これは投資家衝撃与え当時アタリ社親会社であるワーナー・コミュニケーションズまで巻き込み12月8日から翌12月9日にかけて、株価大幅下落誘発している。マテル・コレコなどの競合他社コモドールなどのホビーパソコンメーカー、小売りトイザらスなどの関連銘柄煽り食って軒並み株価下げた一方供給過剰の状態であった小売店では、店頭並べられなくなったゲーム販売元返品しようとしたが、経営苦し販売元にはその対価として小売店返金するキャッシュがなかった。1982年クリスマス商戦終わった直後に、後に『スペランカー』を制作するティム・マーティンが在籍したGames by Apollo社や、クエーカーオーツ傘下として低品質ソフトウェア乱発したUS Games社を含む、複数中小メーカー倒産。 この1982年クリスマスアタリショック発端とされている。ただし1982年度市場規模30ドル超えるなど市場依然大きく、この時点ではまだ市場崩壊と言える状態ではなかった。 ともあれ年が明けた1983年には、全米小売店多く不良在庫ゲームソフト大量に抱えていた。倒産した弱小メーカーのソフトはメーカー返品することができなかったため、小売店在庫処分価格でこれらのソフトを販売した在庫処分ではない正規のソフトの価格もそれにつられて下げざるを得なくなりアタリ値下げ追随業界値下げラッシュ入ったそれまで大体30ドル(約7千円)だったソフトの販売価格一気に5ドル(約1,200円)にまで下がり、2ドル(約480円)で販売されるゲームすら登場した1983年入って市場依然活発で、発売タイトル販売本数もかなり多かったが、1983年6月までには正規価格のソフト市場大幅に縮小しており、ユーザー在庫処分価格のソフトを主に買い求めるようになっていた。ゲーム低価格化したことは当初ユーザー歓迎されたようだが、やがて買ったソフトがどれも低品質という現実直面する。そして、低品質なこれらのソフトにうんざりしたユーザー多くは、高価だクオリティの高いソフトを見直すこともなくゲームそのもの止めてしまった。 販売価格下がったうえにゲーム売り上げ一気落ち、各ゲームメーカー経営一気悪化したが、特にアタリ直撃したアタリ経営1983年第2四半期には極端に悪化していた。赤字止まらないアタリコンシューマ部門1984年分割売却された。買収したのはアタリ崩壊させた一因であるコモドール創業者ジャック・トラミエルである。 さらに、影響アタリ社以外のゲーム関連企業にも広く及び、アタリ社ゲーム機競合するゲーム機製造していたマグナボックス社及びコレコ社は、本業ゲームではないこともあり、市場崩壊に巻き込まれるのを恐れてゲーム事業から撤退したまた、大手ゲームソフトメーカーであるImagic社は、新規株式公開断念せざるを得ず、この何年か後には倒産追い込まれた。最大手のゲームソフトメーカーであったアクティビジョン社は、パソコンゲーム市場での成功などにより生き残ることに成功したものの、VCS参入していたほとんどの中小ゲームソフトメーカーは倒産してしまった。 「ゲーム機時代終わった」と考えた北米小売業者も、ゲーム機取り扱いをやめてしまった。そしてこの後後述アメリカ版ファミリーコンピュータNES”が発売されるまで、アメリカ家庭用ゲーム機市場最悪氷河期迎える。 一方アタリショックによって倒産したゲームメーカー開発者ホビーパソコンゲーム市場参入北米NESブームとなる1988年ごろまで北米ホビーパソコンゲーム市場隆盛迎え事となった。

※この「市場崩壊」の解説は、「アタリショック」の解説の一部です。
「市場崩壊」を含む「アタリショック」の記事については、「アタリショック」の概要を参照ください。

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