川崎洋とは? わかりやすく解説

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かわさき‐ひろし〔かはさき‐〕【川崎洋】

読み方:かわさきひろし

[1930〜2004詩人放送作家東京生まれ。詩誌への投稿かたわら昭和28年(1953)茨木のり子らと「(かい)」を創刊昭和32年(1957)から文筆活動に入る。詩やラジオドラマ執筆のほか、方言収集にも注力した。詩集はくちよう」「ビスケットの空カン」、絵本それからのおにがしま」、随筆かがやく日本語の悪態」など。


川崎洋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/01 01:32 UTC 版)

川崎 洋(かわさき ひろし、1930年1月26日 - 2004年10月21日)は、日本詩人放送作家東京都出身。

茨木のり子と「櫂」を創刊。明るい存在感溢れる詩風で、戦後詩に新鮮な叙情詩の世界を開いた。作品に詩集『はくちょう』(1955年)、『食物小屋』(1980年)、放送詩劇『魚と走る時』(1956年)など。

人物

名前の洋は、『詩経』の「河川洋々」から取って、母方の祖父が名付けた[1]1944年福岡県八女郡に疎開。福岡県立八女中学校(現:福岡県立八女高等学校)卒業、父が急死した1951年に西南学院専門学校英文科(現:西南学院大学)中退。上京後は横須賀の米軍キャンプなどに勤務した[2]

1948年頃より詩作を始め、1953年5月茨木のり子と詩誌「櫂」を創刊[3]谷川俊太郎大岡信らを同人に加え、活発な詩作を展開した。1955年詩集『はくちよう』を刊行。1957年から文筆生活に入る。

1971年には文化放送ラジオドラマ「ジャンボ・アフリカ」の脚本で、放送作家として初めて芸術選奨文部大臣賞を受けた。1987年には詩集「ビスケットの空カン」で第17回高見順賞を、1998年には第36回藤村記念歴程賞を受賞した。

日本語の美しさを表現することをライフワークとし、全国各地の方言採集にも力を注いだ。また1982年からは読売新聞紙上で「こどもの詩」の選者を務め、寄せられた詩にユーモラスであたたかな選評を加え人気を博した。主要著書は下を参照。主なラジオ脚本に「魚と走る時」「ジャンボ・アフリカ」「人力飛行機から蚊帳の中まで」などがある。

作曲された詩は数多い。歌の作詞経験も豊富で、NHK全国学校音楽コンクールでは4回作詞を担当した(「きみは鳥・きみは花」「家族」「海の不思議」「風になりたい」)。

受賞歴

主な著作

詩集

川崎本人は、自作の詩をテーマごとに分類すると、海に関するものが一番多いと語っている[1]

  • はくちよう(ユリイカ、1955年)
  • 木の考え方(国文社、1964年)
  • 川崎洋詩集(国文社、1968年)
  • 祝婚歌(山梨シルクセンター出版部、1971年)
  • まだ書けずにいるメルヘンの題(サンリオ出版、1976年)
  • 象(思潮社、1976年)
  • 海を思わないとき(思潮社、1978年)
  • 食物小屋(思潮社、1980年)
  • 縄文杉之記(書肆山田、1980年)
  • 重いつばさ(花曜社、1981年)
  • しかられた神さま(理論社、1981年)
  • 目覚める寸前(書肆山田、1982年)
  • 魚名小詩集(花神社、1984年)
  • ビスケットの空カン(花神社、1985年)
  • トカゲの話(思潮社、1989年)
  • 魂病み(花神社、1992年)
  • EMクラブ物語(思潮社、1992年)
  • ゴイサギが来た(花神社、1995年)
  • どうぶつぶつぶつ(岩崎書店、1995年)
  • 不意の吊橋(思潮社、1997年)
  • ほほえみにはほほえみ(童話屋、1998年)
  • 言葉遊びうた(思潮社、2000年)
  • 埴輪たち(思潮社、2004年)

楽曲

詩劇・脚本集

  • 魚と走る時(ユリイカ、1958年)
  • 川崎洋ラジオドラマ脚本選集(花神社、1988年)

絵本

  • もうおそい愛の話(エルム、1976年)
  • ぼうしをかぶったオニの子(あかね書房、1979年)
  • ふたごぞうニニとトト(婦人之友社、1981年)
  • おじいさんのえ(小学館、1983年)
  • トシオの舟(偕成社、1986年)
  • ぞうだぞう(鈴木出版、1989年)
  • いしだけどなげられない(雄鶏社、1991年)
  • あいさつの本(偕成社、1992年)
  • ねずみのすもう(フレーベル館、1993年)
  • おふろのうみ(鈴木出版、1998年)
  • どんどんちっちどんちっち(学習研究社、2000年)
  • それからのおにがしま(岩崎書店、2004年)

随筆・評論・アンソロジーなど

  • あとが記(思潮社、1973年)
  • 詩の生まれるとき(日本放送出版協会、1974年)
  • 母の国・父の国のことば(日本放送出版協会、1976年)
  • 方言の息づかい(草思社、1978年)
  • ごてる・いぎる・びびる(花曜社、1980年)
  • 方言再考(草思社、1981年)
  • ことばの力(岩波書店、1981年)
  • 流行語(毎日新聞社、1981年)
  • 言葉あそびたがり(新潮社、1982年)
  • 心に届く話し方(筑摩書房、1983年)
  • 日本縦断「ふるさと語」情報館(大和出版、1983年)
  • 悪態採録控(思潮社、1984年)
  • ギャル語分け知り情報館(講談社、1985年)
  • 子どもの詩(花神社、1986年)
  • サイパンと呼ばれた男(新潮社、1988年)
  • すてきな詩をどうぞ(筑摩書房、1989年)
  • 方言の原っぱ(草土文化、1990年)
  • ひととき詩をどうぞ(筑摩書房、1990年)
  • 子どもの詩 1985-1990(花神社、1990年)
  • こころに詩をどうぞ(筑摩書房、1992年)
  • わたしは軍国少年だった(新潮社、1992年)
  • 教科書の詩をよみかえす(筑摩書房、1993年)
  • 日本の遊び歌(新潮社、1994年)
  • 日本語探検(読売新聞社、1995年)
  • 子どもの詩 1990-1994(花神社、1995年)
  • ママに会いたくて生まれてきた(読売新聞社、1996年)
  • かがやく日本語の悪態(草思社、1997年)
  • 大人のための教科書の歌(いそっぷ社、1998年)
  • あなたの世界が広がる詩(小学館、1998年)
  • 嘘ばっかり(いそっぷ社、1999年)
  • 方言なぞなぞあそび(草土文化、2000年)
  • こどもの詩(文藝春秋、2000年)
  • 方言の息づかい(草思社、2000年)
  • あたまわるいけど学校がすき(中央公論新社、2002年)
  • 感じる日本語(思潮社、2002年)
  • 交わす言の葉(沖積舎、2002年)
  • 旅ゆけば(書肆山田、2002年)
  • おひさまのかけら(中央公論新社、2003年)
  • 心にしみる教科書の歌(いそっぷ社、2003年)
  • 魚の名前(いそっぷ社、2004年)

参考文献

脚注

出典

  1. ^ a b 川崎 1998, p. 76.
  2. ^ 茨木 2010, p. 246.
  3. ^ 茨木 2010, pp. 232–239.

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かがやく日本語の悪態 デジタル大辞泉
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デジタル大辞泉
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