小児の肺炎とは? わかりやすく解説

小児の肺炎

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 21:20 UTC 版)

肺炎」の記事における「小児の肺炎」の解説

小児の肺炎では、経験的治療大きく異なってくる。その違い肺炎起炎菌違いよるものである。 新生児を除く乳幼児では、肺炎の3大起炎菌といえるのはインフルエンザ桿菌肺炎球菌、モラキセラ・カタラーリスである。成人異なりクレブシエラ属緑膿菌少ないため、第3世代セフェムよりも抗菌スペクトラムの狭いペニシリン系抗生物質選択するのが一般的である (施設によってはセフェム選択するところもある)。 モラクセラ (モラキセラブランハメラともいう) はほぼ100 %βラクタム分解酵素 (β-ラクタマーゼ) を有するため、ベータラクタム分解酵素阻害薬配合した抗菌薬製剤 (スルバクタム・アンピシリンタゾバクタム・ピペラシリンなど) を選択することが多い。喀痰塗抹グラム染色参考にできるような施設では、肺炎球菌疑わしい場合にはアンピシリンなどより狭いスペクトラムを持つ薬剤選択する。 特に乳児では誤嚥性の肺炎少なからず見られるが、高齢者異なり誤嚥性肺炎でも緑膿菌感染症少ないため、スルバクタム・アンピシリン (嫌気性菌にも有効であるため) を選択する誤嚥性肺炎疑わしい場合には、気道症状治まるまで経口哺乳禁止が必要となることもある。 学童上の年齢ではマイコプラズマによる肺炎多くなる細菌性肺炎との鑑別X線像ではまず不可能であり、血液所見 (好中球増加有無C反応性蛋白上昇有無マイコプラズマIgM迅速検査など) や全身状態気道症状程度などが参考となる。 マイコプラズマにはβラクタム系抗菌薬無効であるが、テトラサイクリン系抗生物質 (ミノサイクリンなど) やニューキノロン系抗菌薬副作用問題小児には投与しにくい、あるいはできないため、マクロライド系抗生物質選択する (永久歯生えていない小児テトラサイクリン投与すると、後に生えた永久歯黄色く色素沈着することがある。また骨成長障害副作用としてみられることも知られている。 ニューキノロン系多くではの小児への投与は、動物実験関節障害見られたために日本では禁忌となっている。トスフロキサシン (商品名:オゼックス小児細粒) は例外小児への適応症をもつ)。 基礎疾患障害のある患児では、その疾患によって肺炎起炎菌特徴がある。また、過去細菌検査結果起炎菌推定助けになる。

※この「小児の肺炎」の解説は、「肺炎」の解説の一部です。
「小児の肺炎」を含む「肺炎」の記事については、「肺炎」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「小児の肺炎」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「小児の肺炎」の関連用語

小児の肺炎のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



小児の肺炎のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの肺炎 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS