小児の慢性硬膜下血腫
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:52 UTC 版)
「慢性硬膜下血腫」の記事における「小児の慢性硬膜下血腫」の解説
生後3~9カ月頃をピークに発生する。 出産時、胎児が産道を通過する際に頭蓋骨の重積が起こり、架橋静脈が断裂するという説がある。 その他の要因としては、墜落や交通事故、虐待、出血傾向などが挙げられる。 85%が両側性と言われる。 症状進行性の頭部拡大、大泉門の膨隆、不機嫌、痙攣発作、嘔吐、傾眠などの頭蓋内圧亢進症状が認められる。 診断CTでは出血の時期や再出血の有無により低吸収域~高吸収域まで様々な様相を呈する。脳溝および髄液槽が消失する。 大泉門外側からの穿刺による硬膜下穿刺。血性液が認められれば診断は確定する。 治療法硬膜下穿刺のみで治療可能なことが多い。頭蓋内圧亢進例(大泉門膨隆、嘔吐など)にのみ穿刺を行うべき。 硬膜下穿刺によっても液貯留が改善されない場合には硬膜下腹腔シャントを試行する。シャントまでが必要となるのは10%以下と言われている。 予後死亡率は5~10%。生存例でも知能障害や神経脱落症状を示すものが少なくない。 50~75%は正常に発育する。 以上の点より、成人の慢性硬膜下血腫の比較して予後不良な疾患と考えられる。
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