小児に対する心臓移植
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 20:21 UTC 版)
成人と異なる小児に対する心移植の特徴として、小児特有の先天性心疾患があること、一般に成人より病期の進行が早いことなどがある。また小児では移植適応を検討するにあたって前述のNYHA分類を当てはめることが困難であるなど、成人に対する心移植とは違った適応判定の基準が求められる。このため日本小児循環器学会では、小児(11歳未満)に対する移植適応基準として「小児心臓移植の適応判定ガイダンス」を策定している。また小児ドナーからの移植実施施設に必要とされる条件として、先天性心疾患を専門とする心臓外科医、小児循環器を専門とする小児科医を擁することが求められている。また2010年の改正臓器移植法では虐待により死亡した児童からの臓器提供が禁止されており、臓器提供施設には虐待防止委員会など虐待の有無を判断する体制が必要条件となっている。それらの要件を考慮し、改正臓器移植法施行に合わせて小児ドナーからの移植実施施設として東京大学医学部附属病院、大阪大学医学部附属病院、国立循環器病研究センターの3施設が日本で初めて認定された。2020年現在では東京女子医科大学病院、小児心臓移植専門認定施設として国立成育医療研究センターが認可されており、計5施設となった。
※この「小児に対する心臓移植」の解説は、「心臓移植」の解説の一部です。
「小児に対する心臓移植」を含む「心臓移植」の記事については、「心臓移植」の概要を参照ください。
- 小児に対する心臓移植のページへのリンク