小児のBLS(PBLS)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/08 23:51 UTC 版)
「一次救命処置」の記事における「小児のBLS(PBLS)」の解説
小児の範囲は広くは出生後から中学生までを呼び、狭くは1歳未満を乳児、1歳以上中学生までを小児とする。小児・乳児の場合は成人とは異なり、心原性心肺停止、つまり心停止が心肺停止の一時的原因となることは少なく、多くは呼吸原性心肺停止つまり窒息によるものが多い。呼吸停止の状態で発見され、心停止となる前に治療が開始された場合の救命率は70%以上であるが、心停止にまでなってしまった場合の救命率は低い。その点が成人の平均的な心停止とは異なる点である。小児の窒息で多いのは異物誤飲と溺水である。溺水は自宅浴槽の残り湯が多い。 成人であっても窒息に起因する心停止の場合は人工呼吸の重要度が高いが、小児の心停止はその場では原因不明であっても、確率的に呼吸原性心肺停止(窒息)である可能性が多いことから成人の心停止と比べて人工呼吸の重要度が高い。もちろん野球のボールが胸に当たったなど、心臓震盪(しんぞうしんとう)という種類の心室細動による心原性心肺停止の場合は別である。これは衝撃の強さよりも心臓の動きとのわずかなタイミングによるので、幼児や小学校低学年の場合ではフリスビーで遊んでいる最中とか、プラスチック製のバットが当たって起きたという報告もある。 以下は2011年6月30日公表のJRC(日本語版)ガイドライン2010(確定版)第3章「小児の蘇生」に基づき、成人用のBLSと異なる部分のみをあげる。かつ新生児は対象としない。市民救助者が小児を救助する場合は成人と共通のBLSガイドラインに従う。ただし医療従事者が小児を救助する場合は本PBLS(Pediatric Basic Life Support)に従う。医療従事者でなくとも小児にかかわることが多い人、保護者、保育士、幼稚園・小学校・中学校教職員、ライフセーバー、スポーツ指導者などもPBLSを学ぶことが奨励される。 訓練をうけていない市民救助者は、119番通報でその状況とその小児のおおよその年齢(幼児、小学校前、小学生低学年ぐらい、中学生ぐらいの程度)を伝え、119番の通信指導員が指示する範囲で行えば良い。
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