対応と評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/10 03:50 UTC 版)
「ブルガリア難民射殺事件」の記事における「対応と評価」の解説
国連難民高等弁務官事務所のブルガリア代表のボリス・チェシリストフは、ヨーロッパへの移入を試みた移民が今年はすでに3,100名死亡しているが国境で銃殺されたのは初めてのことであることを明らかにした。また、移入者に対して実力を行使したことについて非難した。 事件当時、ブリュッセルで難民問題を対象として開催中のEUサミット(英語版)に出席していたボイコ・ボリソフブルガリア首相はドナルド・トゥスク欧州理事会議長に「私にとって今夜の評議がどんなに重要なものであっても二の次である。我々の国境を護ることが最優先である」と告げて、急遽ブルガリアに帰国した。 ブルガリア内務省は銃弾は威嚇射撃のために撃ったものが跳弾となって男性にあたったものであると表明している。国連難民高等弁務官事務所はブルガリア政府に対して調査を要求した。現在、ブルガリア検察は事件についての調査を行っているところである。 ブルガリア国内では事件について様々な見解が広くなされている。人権団体からは非道なものであるとした非難があり、ブルガリアの政治家からは人殺しであるとするものや、職務を全うした警察官に勲章を授与するべきであるとの声も上がっている。 メグレナ・クレヴァ(英語版)副首相は、政治的活動家達によって「殺人」、「職業倫理に反している」などのレッテルが貼られていることすべてをはねつけ、2015年10月、メグレナ・クレヴァ副首相は密入国斡旋業者を犯罪者、殺人犯と同様に捕えるために注力しなければならないと表明する。 10月18日、ニコライ・ネンチョフ(英語版)国防大臣はブルガリア軍は不法移民の流入からトルコとの国境を護るために国境警備隊を助ける準備が出来ていることを明らかにした。また、国防次官のコンスタンティン・ポポフ中将もブルガリア陸軍は国境警備隊に協力して国境を護ることができると表明した。 射殺事件後もブルガリアへの移民の流入は止まることなく連日の検挙が行われており、10月21日だけでも13グループ256名が国境で検挙されるなど、国境警備隊によって一日当たり200名が検挙され続けている。10月17日には国境付近の森で猟をしていた民間ハンターたちの通報により50名の不法移民が検挙された。ハンター達は通報に応じた3人の警察官らの勇気に感心し、自分だけでは屈強な若者を含むグループにおそれをなしていただろうと語った。ハンターたちには移民たちに遭遇した際の対処法などの指導が国境警備隊によってなされている。 事件後には銃撃を行った警察官への叙勲を求める請願が行われた。 事件から一週間後にブルガリア人監督ステファン・コマンダレフの監督作品『判決』がアカデミー賞にノミネートされた。『判決』は冷戦時代の共産圏から西側諸国へ不法に国境を越えて逃れてくる難民とブルガリア国境警備隊員の話であるが現在起きているシリア、アフガニスタン、中東からの難民危機との対照を惹起させられるものとなっている。 事件後の12月、BBCはヘルシンキ人権委員会のクラシミル・カネフが事件についての警察の説明に疑問を呈していることなどを報じている。 事件の予備審問では、ブルガリア国境警備隊は威嚇射撃の跳弾がアフガン人移入者のうちの一人にあったたと述べ、ブルガス地方検察庁は国境警備隊員による犯罪では全くないことが調査によって確立されたとして、橋にあたった跳弾があたったものであるとした説明は受け入れられるものであると表明して終了した。
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