対応に対する分析
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 05:45 UTC 版)
中国疾病予防コントロールセンターの呉尊友は2021年11月28日、「ゼロコロナ政策」によって、中国は少なくとも4,784万人の感染を防ぐことができ、95万人の死亡を防いだとの見解を示した。2021年2月を例にとると、中国の新型コロナ感染発生時から約1年間の香港、台湾を除く全死者数は4500人ほどで、アメリカの1日の死者数5463人(2021年2月12日)よりも少なく、その効果は絶大だった。中国政府は、いかにアメリカ社会が悲惨な状況に陥り、経済は疲弊し、失職者が街にあふれ、それに比較し中国の社会制度がいかに優れているかを強調した。中国当局が自国のゼロコロナ政策の有効性をアピールし、諸外国の政府の対応をネガティブに伝えたことで、国民は常日頃の強権的な体制に不満を持ちながらも、新型コロナ対策については、世論はほぼ政府支持一色となるとともに、自国への誇りと安心感が芽生えたと同時に、有効な対策を取れない諸外国に対して優越感、時には哀れみや嘲笑に近い視線を作り出すことに成功した。中国で広く接種されている「不活化ワクチン」というタイプのワクチンは、ファイザーやモデルナなど欧米諸国で開発されたmRNAワクチンに比べると効果は低いが、接種後に深刻な副反応が表れる例は少なく、運搬・保存が容易とされる。2021年10月4日現在、22億1456万回の接種を完了させ、人口カバー率で8割、12歳以上に限れば9割を超えた。しかし、中国政府はさらに中国製mRNAワクチンの開発を急いだ。これは復星医薬集団のもので、ファイザー製ワクチンと呼ばれるものとほぼ同様の製品となる。また、国有企業のシノファーム(SINOPHARM、中国医薬集団)も2022年の発売を目指してmRNAワクチンを開発中と伝えられる。 2021年12月には、新たに発生したオミクロン株への警戒が強まる中、中国の衛生局は「ゼロコロナ政策」を堅持すべきとの考えを示した。中国国家衛生健康委員会は、「最近、中国国内で確認された感染例のすべては海外からのものである」との認識を示し、「ゼロコロナ政策」は政策が感染をコントロールする「宝物」と表現した。さらに、「ゼロコロナ政策」とは異なる政策を実施している国の対応は、効果が不十分だとした上で、厳しい対策に伴う社会的損失を最小限に抑えるためには、封鎖管理と大規模な検査の早急な実施が必要で、7日間以内に感染を制御すべきとの認識を示した。
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