みや‐がた【宮型】
読み方:みやがた
「宮型霊柩車」の略。
宮型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 01:44 UTC 版)
高級乗用車やピックアップトラックを改造し、宗教的装飾(主に神社や神輿寺院を模したもの)のある棺室を設置したもの。 ベース車の車種は、乗用車ではキャデラックブロアム、リンカーンタウンカー、トヨタ・クラウンなど、ピックアップトラックではハイラックス、ダットサントラックなどが用いられる。ピックアップトラックがベースの場合は、同メーカーの高級乗用車(クラウン、センチュリー、シーマ等)のフロント部分を移植し(顔面スワップ)、宮型の架装を施すなどして威厳を持たせた上で、エンジンは種車となったピックアップトラックのものをそのまま用いる。 棺を収める部分は「棺室」と呼び、壁面や天井部分に極楽浄土を描いたもの、木彫りの蓮の花などが描かれている。金細工や銅板細工、白木、金箔や漆塗りなど、水気に弱い素材が多く用いられることから、雨天時の葬儀は透明なビニールカバーをかけて運用される。 宮型霊柩車は地域的な偏りが大きく、普及している地域とほとんど存在しない地域に分かれる。棺室は白木のものと漆塗りのものがある。関東地方の宮型霊柩車には白木のものは少なくたいていは漆塗りである。白木の宮型霊柩車は関西の高級霊柩車に多くみられる。 元のベース車が高価である上に、架装とそれに伴う補強がほぼ全て職人の手作業であることからさらに高額となり、新車を購入すると約2,000万円と言われる。 かつては中古車でも高額で取引される上に、用途が限られることから会葬事業者間で売買されることがほとんどであり、一般の市場に流通することは少なかった。現代では需要が減少したことで買い手が付かず、オークションに格安で出品されることもある。外国人には非常に物珍しく見え、金細工や装飾が日本らしさの象徴と映るため、中古車の購入・輸出を試みる者もいる。 日本では人気が落ちている宮型であるが、モンゴルでは日本から輸入するほどの人気である。共産主義政権時代(1924 - 1992)に寺院が破壊されたという事情から「走る寺」として歓迎され、仏教復興に一役買っている。 2021年にミャンマーで軍事政権に反対するデモが行われて女性が死亡。葬儀の映像が配信されたが、冒頭でベンツを改造したと思われるミャンマー風宮型霊柩車が登場した。 車体が金色に塗られた宮型霊柩車 姫路の宮型霊柩車雨天のため側面にビニールカバーをかけている 金沢の宮型霊柩車
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