客車列車の廃止および淘汰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 09:56 UTC 版)
「動力近代化計画」の記事における「客車列車の廃止および淘汰」の解説
動力近代化計画のもう一つの柱である客車列車の電車化・気動車化は無煙化が終了した1976年(昭和51年)の時点で、優等列車に関しては(静粛性等の点で客車が優位とされた)夜行を除いてほぼ完了していたものの、前記のとおり普通列車には地方線区を中心に多くが残存し、その状態がしばらく継続した。しかし、客車普通列車の存続理由の一つであった郵便荷物輸送の衰退、地方線区で機関車を共用する機会のあったヤード集結形貨物の全廃(1984年2月1日国鉄ダイヤ改正)、長編成低頻度から短編成高頻度への運行形態の転換、および新幹線開業によって余剰となった急行形電車・気動車などの優等列車用車両の転用により、1982年11月15日国鉄ダイヤ改正より機動性に勝る分散動力車両への置き換えが段階的に進められた。1986年11月1日国鉄ダイヤ改正で荷物輸送(郵便郵送は改正の1か月前に終了)が一部の例外を除いて終了したこと、国鉄分割民営化に際して客車の置き換えに反対する組合員の多くがJR旅客鉄道会社に採用されなかったこと、機関車は旅客鉄道会社と日本貨物鉄道が個別に保有する形になったことでその動きが加速した。2002年(平成14年)に津軽海峡線の快速「海峡」の廃止により、昼間の定期列車から客車は完全に撤退した。以降は夜行の優等列車のみに客車の定期運行が残ったが、利用者の航空機・高速バスなどへの移行による利用の低迷やさらなる新幹線の開業に伴って夜行列車の削減が進んだ結果、2016年(平成28年)3月に急行「はまなす」の廃止によって、JRの定期列車から客車の運行が消滅した。さらにJR東海においては機関車牽引の列車そのものが事業用列車も含めて全廃され(事業用列車を除けばJR四国も含まれる)、完全に動力分散方式に移行している。 計画において目指された旅客列車動力方式の近代化は、開始から56年をかけて実現したことになる。
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