客車改造気動車の系譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/14 07:50 UTC 版)
「国鉄キハ08系気動車」の記事における「客車改造気動車の系譜」の解説
上記の鋼体化客車の気動車化改造車は、結局試作車の域を出ることなく短命に終わったが、その後、国鉄分割民営化後のJR各社において、軽量構造でかつ車齢の低い50系客車の余剰が発生した際、再度、客車改造による気動車化が試みられた。 1987年(昭和62年)に西日本旅客鉄道(JR西日本)において余剰のオハ50形客車を改造したキハ33形が、1989年(平成元年)からは北海道旅客鉄道(JR北海道)においてオハフ51形客車を改造したキハ141系が投入される。ほかにエンジンを搭載していない気動車としてJR西日本が1989年(平成元年)にスハフ12形客車を改造したキサロ59形(ジョイフルトレイン「セイシェル」の中間車)、1992年(平成4年)にオハ12形・スハフ12形客車を改造したキサハ34形を落成させている。 キハ33形はワンマン運用を想定し、車端にドアが配されるオハ50形を種車に選んだため改造の手間がかかったうえ、車体重量もキハ08系よりは軽量であるが、NDCであるキハ120形と比較すると重量があるなどの中途半端な性格から、改造は試作的要素の強い2両のみに終わった。しかし同車は2010年(平成22年)に全車廃車されるまで22年間に渡り運用され、一定の成功を見た。しかし、キサハ34形については氷見・城端線のラッシュ輸送における緊急的措置に運用目的を絞った形式であったことから、改造が施されたのは4両のみで、わずか4年後の1996年(平成8年)に全車廃車となった。キサロ59形は他の「セイシェル」の気動車2両とともに2005年(平成17年)に廃車となっている。 一方、キハ141系においては、車体については必要最小限の改造で済むオハフ51形を種車とし、投入線区となる札沼線に対する最適設計を施され、同系のキハ141形、キハ142形、改良形のキハ143形、付随車のキサハ144形をあわせて44両の一大改造車グループを形成した。結果同系列は2012年(平成24年)の札沼線電化までおよそ23年間にわたって同線の主力車両として運用され、その後2018年(平成30年)時点でもまとまった両数での運用が継続されるなど、客車改造気動車では最も成功した例となった。
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