宇治十帖の人々
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「源氏物語の登場人物」の記事における「宇治十帖の人々」の解説
薫(かおる、薫君(かおるのきみ)とも) - 表向きは光源氏の次男であるが、実は柏木と女三宮の男子。 匂宮(におうのみや) - 今上帝の第三皇子。母は明石中宮。 (宇治の)大君(おおいぎみ) - 桐壺帝八の宮の長女。薫の思い人だが、最後まで彼の求婚を拒み通した。病弱で若くして他界。 (宇治の)中君(なかのきみ) - 桐壺帝八の宮の次女。後に匂宮夫人。匂宮との間に、一児(男子)をもうける。 浮舟(うきふね) - 桐壺帝八の宮の庶出の娘。薫の愛人。後匂宮にも求愛され、苦悩の末入水を図る。横川の僧都に助けられ、一命をとりとめるものの出家。 弁の尼(べんのあま) - 八の宮の姫君たちに仕える女房。元は柏木の乳母子で、朱雀院の女三の宮の小侍従は従姉妹。薫にその出生の秘密を明かし、大君との間も取り持とうとした。大君の死後出家、中君が京へ上った後主不在となった宇治の宮邸の留守を守り、また大君の身代わりを求める薫に浮舟の素性と所在を明かした。 春宮・今上帝(とうぐう・きんじょうてい) - 冷泉帝の春宮。朱雀院の第一皇子。光源氏の長女、明石中宮を后とする。 女二宮(おんなにのみや) - 今上帝の皇女。母は藤壺女御。薫の正室。 六の君(ろくのきみ) - 夕霧の六女。母は藤典侍で、落葉の宮の養女。薫との縁談もあったが、匂宮の正室となる。 頭の中将 - 夕霧の左大臣の長男。宇治の紅葉狩りに際しては、明石中宮の命により匂宮を監視。 中将の君 - 浮舟の母。桐壺帝八の宮の侍女で、北の方の姪。北の方の死後、一時八の宮の愛人となるが、浮舟を身ごもったことで疎んじられ側を離れた。大君・中君は従妹にあたる。八の宮邸を辞してから、常陸介と結婚。薫の下に仕えることになった、小君を始め数人の子をもうける。 常陸介 - 中将の君の夫。妻との間に多くの子をなしたが、彼女が浮舟ばかりを可愛がるため浮舟には冷たい態度を取ることが多い。 小君 - 常陸介と中将の君の子。浮舟失踪後、薫の心を慰めるために彼に仕える事となった。浮舟が生存しているという話を聞いた、薫の使いとして姉に文を届けるが、対面を断られ、文すらも受け取ってもらえず落胆する。 左近の少将 - 浮舟の婚約者。常陸介の後ろ盾を求めており、浮舟がその実の娘でないと知って婚約破棄、常陸介の実の娘と婚約し直した。 横川の僧都(よかわのそうづ) - 入水した浮舟を助ける。後にその願いを聞き、浮舟を出家させた。宮廷に呼ばれるほど徳の高い僧侶。 小野の妹尼(おののいもうとあま)- 横川の僧都の妹。浮舟を死んだ娘の代わりとしてかわいがる。自分の留守中に浮舟が出家したと知り、大層嘆いた。 右近の君(うこんのきみ) - 浮舟に仕える女房。匂宮が薫のふりをして浮舟と契った事を知り驚愕。その日は浮舟が母と石山寺へと参詣する日であったため、慌てて「物忌み」という事にして取りやめた。更に後日、御所で催されていた会が終わると宮がすぐに彼女の元を訪れたことから、急遽侍従の君に協力を頼む。のちに彼女が入水を図ると、薫に事の真相を打ち明ける。 小宰相の君(こさいしょうのきみ) - 明石の中宮に仕える女房。気丈な性格で、匂宮に言い寄られたこともあるが、きっぱりと断った事がある。中宮が六条院に宿下がりした際、薫が浮舟との恋で悩んでいる事を打ち明けられた。のちに浮舟の生存が確認された際、中宮を介して薫に浮舟の事を伝え、横川行きを後押しした。
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