奈良県立高田高等学校
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/16 06:03 UTC 版)
| 奈良県立高田高等学校 | |
|---|---|
| |
|
| 北緯34度30分32.7秒 東経135度44分22.2秒 / 北緯34.509083度 東経135.739500度座標: 北緯34度30分32.7秒 東経135度44分22.2秒 / 北緯34.509083度 東経135.739500度 | |
| 過去の名称 |
|
| 国公私立の別 | 公立学校 |
| 設置者 | |
| 学区 | 奈良県内全域 |
| 理念 | 「自彊・和敬・創造」の校訓のもと、生徒各自が進路実現を果たし、地域社会を創生・牽引する人材や、教員として奈良県教育を支える人材の育成を目指す[1] |
| 校訓 | |
| 設立年月日 | 1921年4月1日 |
| 創立記念日 | 11月1日 |
| 共学・別学 | 男女共学 |
| 課程 | 全日制課程 |
| 単位制・学年制 | 学年制 |
| 設置学科 | 普通科 |
| 学期 | 3学期制 |
| 学校コード | D129210000209 |
| 高校コード | 29120A |
| 所在地 | 〒635-0061 奈良県大和高田市礒野東町6-6 |
| 外部リンク | 公式ウェブサイト |
奈良県立高田高等学校(ならけんりつ たかだ こうとうがっこう、英: Nara Prefectural Takada High School)は、奈良県大和高田市礒野東町に所在する、公立の全日制普通科高等学校。略称は高田高、通称は高田(たかだ)。
概要
2024年度より、大学入学共通テストを受験する生徒が7割以上といった、生徒の進学希望や進学プロセスの状況を踏まえ、奈良県教育委員会より「進学教育重点校」の指定を受けており、指導力向上に向けた教員研修の機会の創出と、中核教員が配置されている[3]。
スクール・ミッション
「自彊・和敬・創造」の校訓のもと、生徒各自が進路実現を果たし、地域社会を創生・牽引する人材や、教員として奈良県教育を支える人材の育成を目指す[1]。
目指す学校像
『自主自立、自由闊達』の校風、『文武両道』の伝統の下、生徒一人一人の個性を伸ばし、力が発揮できる学校[4]。
校訓
- 自彊 - 自から努めて励むこと
-
- 「自(みず)から彊(つと)めて息(や)まず」(易経)
- 和敬 - 心をやわらげてうやまうこと
-
- 「茶道で主客の心得を表すことば」(禅語)
- 創造 - 新しいものを創り出すこと
スクール・ポリシー
グラデュエーション・ポリシー
本校では、以下の資質・能力を身に付けた生徒に卒業を認定する。
- 探究心をもって課題を設定し、それを解決し論理的に表現することができる。
- 身に付けた幅広い知識と主体的に学ぶ資質・能力を卒業後も生かし、自己の将来を開拓・実現できる。
- 他者を尊重し、社会の中核を担う存在として多様な人々と協働することができる。
- 社会の一員としての自覚をもち、地域の人々に愛され、郷土の発展に貢献できる[1]。
カリキュラム・ポリシー
本校の使命(スクール・ミッション)を実現するために、以下のとおり教育課程を編成・実施する。
- 探究活動
- 生徒が主体的、創造的に取り組む資質・能力を身に付けることができるように「総合的な探究の時間」を中核としたカリキュラムを編成する。
- 生徒がコミュニケーション能力や情報発信能力を伸ばすことができるように協働的な学びや発表の機会を創出する。
- 生徒が意欲的に探究活動に取り組み、課題発見・解決力を習得できるように教科横断的な学びを充実させる。
- 進学教育
- 生徒が自分自身の成長を実感できるようにカリキュラムを編成し、組織的・計画的に学力向上を図る取組を進める。
- 生徒が学習への興味関心を高め、主体的に学べるように授業研究を推進するとともに、教育DXを効果的に活用する。
- 生徒が多様な進路を実現できるように実力養成講座や講演会等を充実させるとともに、大学見学会を実施する。
- 人権・協働
- 社会貢献
- 教育アンビシャスコース
- 市内の小学校等と連携して小学校体験実習を行い、実践的な教育プログラムを実施する。
- ディベートや集団討論を通して教員として必要なコミュニケーション力を身に付けられる活動を充実させる。
- 教育について専門的学びを深めることができるように連携大学等から講師を招へいして特別授業を行う[1]。
アドミッション・ポリシー
本校では、以下のような生徒を積極的に受け入れる。
- 向上心や探究心、知的好奇心があり、何事にも挑戦できる生徒
- 将来の目標に向けて、学習や部活動に取り組む意欲をもつ生徒
- ルールやマナーを遵守し、互いに尊重しながら他者と協力することのできる生徒
- 地域や社会に関心をもち、地域社会の課題解決に取り組む意欲をもつ生徒
- 教員を志し、教育について自ら考え、学ぶ意欲をもつ生徒[1]
沿革
略歴
1921年(大正10年)創立の奈良県立高田高等女学校を前身とする。1948年(昭和23年)4月の学制改革により新制高等学校となり、同年9月に男女共学を開始した。
年表
奈良県高田高等女学校・高田高等女学校・高田高等学校(女子校)
- 1920年(大正9年)7月31日 - 北葛城郡立奈良県高田高等女学校設立を認可。
- 1921年
- 1923年4月1日 - 郡制廃止の為、奈良県に移管、奈良県立高田高等女学校と改称。
- 1947年(昭和22年)4月1日 - 生徒募集を停止し、「奈良県立高田高等女学校併設中学校」(新制・女子校;以下、併設中学校)[注釈 1]を併設。
- 1948年4月1日 - 学制改革(「奈良県新制高等学校設置要項」(暫定案))により、奈良県立高田高等女学校を奈良県立高田高等学校(新制・女子校)に転換[注釈 2]。併設中学校を継承し、「奈良県立高田高等学校併設中学校」に改称。
高田高等学校
- 1948年
- 1950年6月 - 女子生徒の制服を制定。
- 1954年2月13日 - 校歌・校旗を制定。校舎増築工事、食堂・温室の新築工事竣工。
- 1956年4月1日 - 通常制女子課程を開設。
- 1962年
- 4月1日 - 奈良県教育委員会規則改正により設置課程の名称を改称[注釈 3]。
- 1965年3月31日 - 全日制課程商業科を閉科、廃止。
- 1967年5月20日 - 新校舎落成式を挙行。
- 1970年3月31日 - 全日制課程家庭科を閉科、廃止。
- 1971年10月30日 - 創立50周年記念式典を挙行。
- 1972年3月31日 - 王寺分校を閉校、廃止。
- 1981年11月20日 - 創立60周年記念式典を挙行。
- 1984年2月1日 - 校訓「自彊・和敬・創造」を制定。
- 1985年9月10日 - 校訓碑を建立。
- 1991年11月2日 - 創立70周年記念式典を挙行。
- 1996年4月1日 - 学校設定教科「探究」を創設。
- 2001年11月4日 - 創立80周年記念式典を挙行。
- 2002年(平成14年)4月1日 - 総合的な学習の時間「探究」に移行。
- 2006年4月1日 - 全日制課程普通科に教育コースを開設。
- 2008年4月1日 - 定時制課程を募集停止し、奈良県立畝傍高等学校に移管。
- 2011年
- 3月31日 - 定時制課程を閉課程、廃止。
- 11月5日 - 創立90周年記念式典を挙行。
- 2017年4月1日 - 教育コースの特色選抜での募集停止に伴い、教育アンビシャスコース類型に改編。
- 2020年(令和2年)11月3日 - 奈良県立高田高等女学校・高田高等学校同窓会から奈良県立高田高等学校同窓会「鳩蘭会」に改称。
- 2021年5月31日 - 同窓会館(鳩蘭会館)改修工事竣工。
- 2022年10月31日 - 創立100周年記念式典を挙行。
基礎データ
所在地
アクセス
- 近鉄南大阪線「高田市駅」より北西へ約300メートル(徒歩約5分)
- JR和歌山線/万葉まほろば線「高田駅」より南西へ約1.2km(徒歩約17分)
- 近鉄大阪線「大和高田駅」より南西へ約1.5km(徒歩約21分)
象徴
校章
校章の由来は、生徒の力、父母の力、教師の力を大きく三段階に分けた鳩の翼の羽根に象徴したものである。全校生徒の応募作品の中から選出された[2]。
エンブレム
女子生徒の制服の胸部ポケット上に刺繍されたエンブレムは、校章にちなみ、飛翔する鳩をモチーフとして龍神頴夫教諭が考案・デザインしたものである。鳩のはばたきの下には、「高田高等学校」の頭文字である “T. H. S.” を図案化して配している。[5]。
校歌
作詞は土岐善麿[注釈 4]、作曲は平井康三郎[注釈 5]による。歌詞は2番まであり、最後に校名の「高田高校」が登場する。
高等女学校の校歌に代わる新しい校歌を制定する際、一度は井一教諭作詞・堀江精一教諭作曲の「若人われら」が選定された[注釈 6]が、1951年(昭和26年)に早稲田大学教授で歌人としても有名であった土岐善麿に作詞を依頼し、 作曲は平井康三郎に依頼し、1954年に校歌が制定された。2月13日から16日にかけて行われた開校5周年および校舎増築記念の祝賀会で、校旗とともに披露された[6]。
制服
昭和24年度の修学旅行の際、制服が制定されていなかった為、女子生徒の間で衣装の競い合いが起こった。この反省を契機として制服の制定が具体化し、全国的に著名であった服飾デザイナー・田中千代に依頼し、完成したのが女子生徒の現行制服である[6]。
設置する課程、学科及び定員
2015年(平成27年)度まで募集人員は400名(10クラス)であったが、2016年度より40名(1クラス)減員での生徒募集となる。2022年度および2023年度は18名増員での生徒募集が実施された。
教育課程
第2学年より人文探究型、人文探究型(教育アンビシャスコース)および自然探究型の3類型に分かれる。第3学年より人文探究型は文系総合、人文科学(A・B・教育アンビシャスコース)の4類型に、自然探究型は理系総合と自然科学の2類型に分かれ、合計6類型に細分化される。
学校行事
群鳩祭
- 学園祭は「群鳩祭」と呼ばれ、毎年9月上旬に開催される。
高校関係者と組織
高校関係者組織
- 奈良県立高田高等学校学校運営協議会 - 保護者、地域住民、校長、関係行政機関の職員の中から委嘱された委員による機関。学校運営及び当該運営への必要な支援に関して協議する。
- 奈良県立高田高等学校PTA - 生徒保護者と教員による父母と教師の会(PTA)組織で、会員は入会金及び年会費を納入する。
- 奈良県高等学校PTA協議会 - 奈良県立教育研究所内に事務局を置くPTA協議会。奈良県立高田高等学校PTAの会員をもって会員とし、会員は単位PTA分担金として会費を納入する。
- 奈良県立高田高等学校同窓会「鳩蘭会」 - 前身学校を含む卒業生による同窓会組織。事務局を校地内に所在する同窓会館「鳩蘭会館」に置く。
高校関係者一覧
対外関係
高大連携
(教育アンビシャスコース):奈良教育大学、京都女子大学、同志社女子大学、佛教大学、畿央大学
脚注
注釈
- ^ 高田高等女学校1・2年修了者を併設中学校2・3年生として収容。高田高等女学校3・4年修了者はそのまま高田高等女学校に在籍し、4・5年生に進級した。
- ^ 高田高等女学校卒業生(5年修了者)を高田高等学校3年、高田高等女学校4年修了者を高田高等学校2年、併設中学校卒業生を高田高等学校1年生として収容。
- ^ 通常制を「全日制課程」、定時制を「定時制課程」に改称。普通課程を「普通科」、商業課程を「商業科」、家庭課程(女子課程)を「家庭科」に改称。
- ^ 土岐善麿は、早稲田大学時代、北原白秋、若山牧水らと同窓であり、石川啄木とも親交があった。
- ^ 平井康三郎は、「ゆりかご」「平城山(ならやま)」「とんぼのめがね」「ひなまつり」等、数々の愛唱曲を作曲した。
- ^ 「若人われら」は応援歌に決定された。
出典
- ^ a b c d e 奈良県立高田高等学校. “奈良県立高田高等学校 中期計画”. 奈良県立高田高等学校. 奈良県立高田高等学校. 2025年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月9日閲覧。
- ^ a b c 奈良県立高田高等学校. “校訓”. 奈良県立高田高等学校. 奈良県立高田高等学校. 2025年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月9日閲覧。
- ^ 高校の特色づくり推進課. “県立高等学校における特色ある教育等の推進について” (PDF). 奈良県. 奈良県教育委員会. p. 1. 2023年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年8月14日閲覧。
- ^ 奈良県立高田高等学校. “学校経営方針”. 奈良県立高田高等学校. 奈良県立高田高等学校. 2025年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月9日閲覧。
- ^ 奈良県立高田高等学校. “沿革”. 奈良県立高田高等学校. 奈良県立高田高等学校. 2006年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月9日閲覧。
- ^ a b 奈良県立高田高等学校. “沿革”. 奈良県立高田高等学校. 奈良県立高田高等学校. 2005年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年11月9日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- 奈良県立高田高等学校 - YouTubeチャンネル(公式)
固有名詞の分類
- 奈良県立高田高等学校のページへのリンク