大朝のテングシデ群落とは? わかりやすく解説

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大朝のテングシデ群落

名称: 大朝のテングシデ群落
ふりがな おおあさのてんぐしでぐんらく
種別 天然記念物
種別2:
都道府県 広島県
市区町村 山県郡北広島町
管理団体
指定年月日 2000.09.06(平成12.09.06)
指定基準 12
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: テングシデ(Carpinus tschonoskii Maxim. var. torta Horikawa)は枝條屈曲著しくしだれるイヌシデ変種で,昭和14年調査行った堀川芳雄博士廣島縣史蹟名勝天然紀念物調査報告第5輯(昭和171942)年)において変種として命名した堀川は,この形質病的なものでなく,健全で立派にその形質固定したもので,世界中でただこの地方だけに生じているものと記した
 生育地大朝町にある熊城山の南東斜面下部標高650mに位置し落葉広葉樹主体とする二次林である。大朝町では,平成8・9年度に「大朝町天狗シデ現状調査」(委員長関太郎,広島大学理学部教授)を実施した結果,約0.5haの中に大小90本のテングシデが生育し胸高直径10cm上の個体36本,周囲2m上の大径木も10本が確認された。さらに,稚樹にも独特の形質備えたものもみられ,幼個体から成木までほぼ途切れることなく生育しており,種子による世代交代により次世代維持されていると考えられている。現在の成育状況良好で,定期的な下刈り等も行われ,テングシデと競合するような種の生育押さえられている。
 また,幹が曲がりくねるなどの特徴は,土質気象条件等の環境の影響ではなく突然変異による形質遺伝的に固定されたもので,このような性質を持つ樹木群生は,長野県等に分布するシダレグリ(国天記念物程度であり,シデ類では他に例をみない。
 テングシデについての古文書等の記録見られないものの,民間伝承としては残されており,テングシデに対す畏敬思いと,木を損な行為対すタブーとにより,テングシデとその生育地守られてきたと考えられている。このため昭和12年5月28日広島県指定天然記念物指定され保護されてきた。
 このような突然変異起因する形質劣性形質であることが多く自然状態での更新は困難である。本地域で生育できた要因は,地元住民保護し維持管理行ってきたことが大きいと考えられる。さらに,このような特異な遺伝的形質持った樹木群落残されたことは,学術的にも貴重である。よって,天然記念物指定し保護を図るものである



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