変速機による分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 01:32 UTC 版)
詳細は「気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式」を参照 機械式 自動車のマニュアルトランスミッション車同様に、多段変速機とクラッチを用いる原始的方式だが、伝達効率は良い。過去においてはそれぞれ手動操作であり、日本では1950年代前半まで主流だったが、クラッチ容量の限界による出力向上の制約や、当時の日本ではこの方式による総括制御の研究が進まなかったため、1960年代までにほぼ廃れた。欧州では総括制御技術が開発されたこともあり採用例が多く、特にイギリスでは1980年代初頭の統計では電気式、液体式の合計よりも車輌数が多く 気動車の主流となっていた。 ただし昨今の技術向上に伴い、電子制御による総括制御が可能になったこともあり、次項の流体式との差は小さくなってきている。デンマークでは機械式気動車を用いた200 km/h運転の試験が行われているが、これは多段変速液体式のトルクコンバータ(略称・トルコン)を省略して摩擦クラッチのみの装備に置換したものである。 液体式(流体式・液圧式とも) 起動から低中速域にかけてトルクコンバータを使用することで総括制御を可能とした変速方式。比較的軽量なことが特徴。戦後の日本における主流。かつてはトルクコンバータに依存する領域が広く、動力伝達時のロスを生じがちだったが、1990年代以降多段式の遊星歯車変速機を電子制御してトルクコンバータと組み合わせることで、広い速度域に適応させつつトルクコンバータへの依存領域を小さくする手法(2速以降はトルクコンバータを介さない)が普及し、伝達効率を向上させている。その為、現在の流体式と電子制御化された機械式との違いは、実質的に「起動の方法の違い」のみとなっている。 電気式 エンジン動力で発電を行い、発生電力でモーターを駆動して走行する方式。現在ではほとんどがディーゼルエンジンを用いたディーゼル・エレクトリック方式である。モーターから輪軸への減速方法は電車と同じく一段固定で、多段変速機は持たない。大出力向けで伝達効率自体は良く、システム全体では重量と体積が増加するものの、保守点検も液体式に比べて容易であるため世界的には主流とする国が多い。日本では1930年代と1950年代に若干の採用例が見られ、それ以降はしばらくの間液体式が主流となり一度は廃れた方式であったが、パワーエレクトロニクスが発展し、重量面のハンデを緩和させた2000年代以降は、シリーズ式ハイブリッド気動車やEDC方式という形で復活し、さらに2018年から製造開始し、2019年8月から営業運転を開始したGV-E400系においては、量産型の純粋なディーゼル・エレクトリック方式の電気式気動車が約半世紀ぶりに復活した。
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